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2023/5/17 アンリ・マティス《金魚》

昨日Twitterで話していて、そういえばこんな作品好きだったなと思い出したので今日はそのままマティスの作品について話そうと思う。


アンリ・マティス《金魚》1912年 プーシキン美術館

アンリ・マティス《金魚》1912年 プーシキン美術館

この作品を初めて見たのは2005年のプーシキン美術館展だった。当時10歳。東京都美術館でのことだった。画像だと若干彩度が落ちているように思うが、この作品はとにかくカラフルで、主役である金魚の鮮烈な赤の他に、背景のピンクと手前の椅子のアームらしき部分のペールブルーが強烈な対比で印象深い作品だ。また作品のサイズも大きく、よくよく調べてみたら縦が150cmあるらしい。今でこそ女性の平均身長より少し大きめの体躯の私であるが、小学校の時は背の順の1~2番目をウロウロしているような身長だったので、この作品はかなり大きなものとして目に映り大変衝撃的だった。
正直その時出展されていた他の作品については覚えていない。都美側も《金魚》を目玉として扱い、ポスターなどにも掲載されていた。この作品が印刷されたポストカードとキーホルダーを買ってもらったのをよく覚えている。(今も大切に持っている。)

それから数年後、美術史の勉強を初めてからマティスが「フォービスム(野獣派)」と呼ばれる作風の画家であることや、色面構成を得意とした作家であったことを知った。植物も好きでよく育てていたらしい。確かに《金魚》にも様々な植物が描かれており、どこか植物園の温室で金魚を眺めているような雰囲気である。

私は色鮮やかなものが好きである。服も化粧品も手持ちのものは色鮮やかでカラフルなものが多いし、組み合わせが難しいとわかっていても様々な色のものを集めてしまう。淡色がもてはやされている昨今、生成やベージュといった色ばかりで構成されているのは素敵だけど性に合わず、色好きなのは習性のようで直る気配がない。

19世紀の後半に合成染料が発見され、20世紀は色彩が大きく発展した時期でもある。私はなぜか絵画でも音楽でも20世紀前半の作品をとても好きになることが多いが、もしかしたらこうした「色彩の解放」と言えるような社会背景が私の趣向に少なからず影響を及ぼしているのかも知れない。

こないだピスタチオグリーンのセットアップを買ってしまった。さて着て出かけようと思ったら靴も派手な柄物が多いため組み合わせられず大変な思いをした。近々プレーンな靴を買いに行く必要がありそうだ。


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