見出し画像

健側の予防切除はできるか

先日の記事の続き。
かかりつけ医からの手紙と画像データを持って主治医のいる病院へ。
再診予約をするために電話をしたけれど、まっっったくつながらなかった。
何十回とかけ直してようやくつながった。
初診のときはかかりつけ医が予約してくれて、がん疑いともなると手厚いんだなと思ったけれど、放置してちゃんと受診しない人もいるからだろうか。

苦労して取った予約日。
「(主治医と)予想外に早い再会で残念極まりないです」と言いながら席についた。

画像データを確認していた主治医は、
「残念だけれども、けれども、、、」と言いながら手術の影響の可能性を指摘した。

異栄養性石灰化。

これは私も事前に調べて見つけていた。
でも余計な期待をするのは良くないから、そういうものもあるのかという程度で調べた。

主治医も私も正式名称が思い出せず、謎解きみたいになってヒットした「異栄養性石灰化」。
手術の影響でできる石灰化。大きめでトゲトゲした形になって悪いものに見えることもあるとか。

エコーで見えた影も確認。
「これを初期の癌と考えるかどうかは難しいところですね」
「手術の傷の近くだから手術の影響かもしれない」

これはもちろん、ポジティブな所見ではある。私は主治医のことを良い先生だと思っているし、とても信頼している。
が、かかりつけ医の先生の見立てもかなり良いと思っている。

4年前の私の腫瘍はマンモグラフィーには写らず、エコーにだけ写っていた。
今はステージ0の非浸潤の状態で見つかる人も多い。
それは多分、マンモグラフィーが普及して石灰化で見つかることが増えたから。
エコーにしか写らなかった私の腫瘍は95%非浸潤だった(1.7cmのうち1.8mm浸潤)。
それを母が母の主治医の先生に話したら「よく見つかったね」と言われたと言っていた。おそらく、エコーにしか写らないほぼ非浸潤の腫瘍を見つけたのがすごい、ということなのだと思う。
そんなかかりつけ医が主治医に回したわけだから、期待しすぎることはできない。

その後、主治医が診察室でエコー実施。
やはり傷の近くではあるとのこと。

かかりつけ医からの手紙には「生検を」と書かれていたのだと思う。
「MRIでも良いんじゃない?」と主治医。

あぁ、、、デジャブ。

私:「造影剤のアレルギーがあって、、、」
主治医:「あぁ、、、(残念そう)」

最終的にマンモグラフィーをしながらする、ST-MMTという生検をすることになった。
4年前のときはエコーでしか見えない腫瘍だったから、エコーで場所を確認しながら実施した。そのとき麻酔をしていないと思っていたけれど、そう言ったら主治医が驚いて、「えっしたでしょ!?してるよ。太い針だから」と言っていた。

あれっと思って、帰って調べたら局所麻酔をしていた。
これはある意味残念。ずっと麻酔なしだったと思っていて、麻酔なしの割に痛くなかったという感想だったから。
麻酔していたとなると、麻酔していた割には痛かったという感想に変わる。
多分、針を刺す表面には効果があるのだろうけれど、中の衝撃にはあまり効果が感じられなかった。

それが今回は、この手術した胸をマンモグラフィーで挟みながら、太い針を刺してバチっと取るなんて、、、麻酔したとて絶対に痛い。
人生ってままならない。。。
前回は、麻酔が切れる感覚や切れたあとの痛みはほとんどなかった。今回もせめて終わったあとは痛みなど軽く済むと良い。

生検の前に、スライス画像で見れるマンモグラフィー、エコー、HIVなどの感性症の検査も実施する。
それらの日にちを一通り決めたところで、万が一の場合の話。


一人一人にあった医療を、みたいなこの病院の理念を引っ張り出して、切り出した。
「ここ(理念)よーく読んで頂いて、断らないで欲しいんですけど、、、」

もしものときは左側(健側)も一緒に全摘したいです。
◯◯先生(かかりつけ医)のとこでひっかかって、絶望のなか最初に思ったのは「全摘だ。再建したくない。どうしよう」でした。
HBOCは陰性だったから、自費になるのはわかっています。
全摘した胸がどういう風になるかも、母を見ているのでわかっています。
それでも左も全摘したいです。

と、伝えた。
主治医は特に驚いた風はなかったから、これまでも同じことをいう患者さんがいたのかもしれない。

主治医の返答は、倫理委員会で通れば可能だとのこと。
そして、危険度の高いものではないから、通るのではないかとのことだった。

ホッとした。
「ダメだったときは、全力で通してください!!」と言って帰って来た。

どんなタイミング(初発/再発)や状況でも、主治医が同じことを言ったかはわからない。
たとえば左を残したとして、もしまたマンモやエコーでひっかかったら、その度に私はMRIを飛ばして生検をしなければいけない。これは患者側にも医療者にも負担のかかること。その他、HBOCは陰性だったとはいえ、母も乳がんになっていることなどの状況を、総合的に判断しての回答だったかもしれない。

いずれにしても、色々と調べているうちに、どんどん断られる気がして不安だったから、気持ちがだいぶ楽になった。

生検結果がわかる日、自分なりにいかに全摘をすることがメリットとなるかをまとめて持っていこうと思う。
当然、結果が良いものであることを心底願っているけれど、一手先の備えは大事。


それにしても今回のことで改めて痛感したけれど、「再発も転移もせず完治したんだ」とわかるのは47年後に老衰で死ぬときだ(今後はもう大病せず87歳のある晴れた穏やかな朝に眠ったまま死にたい)。
数としては少なくなるのだろうけれど、2,30年後というのは見たことがある。。。完全なる結果論の世界。途中ではわからない。

再発した方のSNSで「(再発する前に)再発するか心配したり不安になるより、もっとその時を楽しめば良かった」と書かれているのを見たことがある。心に重く響いた。
そして今回ひっかかって、まったく同じことを思った。

矛盾するけれど、再発や転移におびえつつも、どこかで自分は大丈夫と思っていた。これは逆にした方が良い。
「いつ何があるかわからないのだから、まだ何も決まっていないときからおびえても仕方がない」

検査の日は否が応でも色々考えてしまうけれど、それ以外では病気のことは考えず日々を楽しむ。なかなかそう簡単にはいかないかもしれないけれど、もしも今回クリアすることができたらそうやって生きていきたい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?