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Baby Techを考える Part2~絵本~

明けましておめでとうございます。
実に4カ月ぶりの更新です!
本業で異動があり、かなり忙しく、こちらの更新が疎かになっていました。
ただ、下書きはある程度書いていたので前回の続きから書きたいと思います。


前回はBaby Techの観点より、デジタルの絵本でどういう機能があるのかを
何もない状態で想像で書いてみました。
そしてその機能は実際にあるのかどうか、絵本を通じてのデータ取得機能があるのか、デジタル絵本とアニメーションの違い、に関して考えていきたいと思います。

読んでいただく前に一つだけ、僕程度のことが想像していることは大体実現されています(笑)
これは調べていて、自分では結構いいアイデアなのでは?等と思っていたのですが、まー世の中には存在していますよね。よくある話です。こんなアイデアいいと思う!は大体すでにあります(笑)
自分で調べた中での情報なので、もしかしたら調べきれなかったものもあるかもしれませんが、予めご了承いただけると嬉しいです。


1. データ取得 表情


表情認識はタブレットのレベルではまだなさそうです。
ただ、タブレットにWEBカメラを取り付けたものでの取組はされており、子どもの視線がどこに向けられているのか、笑顔度がどのくらいか、ということをリアルタイム情報として取得する研究は行われています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2012/0/JSAI2012_1N2OS1b10/_pdf/-char/ja

ここではリアルタイム情報化とマルチストーリー化が提案されています。サブストーリー(ドリル)との関連付けです。興味や理解をより深いものにするということです。
(詳しくは上記URLから論文見てみてください)

ここで重要なのは表情を読み取ったデータをどう調理するかということになります。表情は嬉しみ、怒り、悲しみ、驚きなどがあります。
絵本1ページにおける視線移動とそれに伴う表情から好き、嫌い、興味、関心、不快を知ることにより、子どもの性格や傾向を掴むことができると思います。

ただし、例えば動物への視線が集まっているからと言って好きだ、という判断をするのは尚早です。表情も見て初めて好き嫌いが判断できるかと思います。あくまでも興味をひいているという認識をすることが重要で、100%ではないというのが機械データとは違う人間のデータかと思います。

例としてライオンに不快感を示す表情をしていても、それは絵がよくないのか、内容におけるライオンの立場がよくないのか、といったことを複合的に考える必要があると思います。本でライオンを知り、動物園で本物を見て好きになるかもしれないし、嫌いになるかもしれない。本物は嫌いだけど、ライオンのぬいぐるみが好きかもしれない。

幼児期は特に感情の理解は難しいと思うので、この表情認識はあくまでも興味・関心を持っているという程度にし、その興味・関心から広がること(先程の例で行くとライオンからネコ科の動物、動物園、自然など…)を提示することが大事なのかなと思います。

声とタブレットへのタッチ回数に関してをデータ化し取得する機能は調べてみましたが、見つからなかったことから、現状ではないと思われます。ただし、上記のように表情が読み取れるのであれば十分可能な技術だと言えると思います。タッチ回数はタブレットをタップすると次のページに行ったり、描かれているものが動いたりすることもあるので、データとしての質が落ちてしまうのかもしれません。


2. 絵本を読むものからつくるものに

これは全然普通にあるという感じです。
紙ではない特徴にも書いていますが、動きや物語の選択も含め、ストーリーラインが読むたびに変えるということもできる本は普通に存在しています。
これは読み手ではあるが、絵本に参加していくというようなイメージです。主体的に読む+αができるようになっているということです。
ただ、これはある程度の年齢上にならないと少し難しいとも言えます。乳児に対し物語の選択というのはかなり難しいので幼児、3歳くらいから段々と理解するのでは?と思います。

既存の絵本から選択して物語をつくったり、自分で描いたものを追加したり…もちろん一から作ることもできます。(紙でも同じだと思います)ただ、ここで異なるのは自分で音や動きを取り入れることができるということです。紙では音や動きは出すのが困難と言えます。デジタルだからこそできること、というのがこうしたことですね。


3. 紙でないことの特徴

保護者の読み上げた声を録音して読み聞かせに使用するということができる本もあります。子どもからするといつも聞きなれた声で聴く方が安心はすると思います。2も含めて、デジタルの絵本は自由度をかなり高めるような気がします。既存の絵本に対し、+のアイデアを加えることでさらに物語の豊かさを生み出す…型にはまったものではないものという意味で自由度を高めるのではないでしょうか?


4. アニメーションとの違い

これは個人的な考えになりますが、アニメは最初から最後まで対象がずっと動き続け、それに伴い物語が展開/進行されているもので、デジタル絵本は動きはあったとしても一時的なもので、自分のタイミングで物語の展開/進行をコントロールできるというところでしょうか。

絵本は1ページというコマで何度も繰り返し読むことができますが、アニメはコマの連続体であり、止めてしまうと連続が止まり、物語が進まなくなります。絵本は「読む」アニメは「観る」ということから主体的であったとしても、絵本は主体性を持ち続けなければ続かない、アニメは受動でも勝手に進んでいくという違いがあると思います。
そういったことから、やはり絵本は絵本でデジタルになったとしてもアニメにはならないということが言えそうです。


5. まとめ

ということから、私の想像力程度では既に実現されていることが多く、
考えや知識が浅はかだなぁと痛感しています。ただ、タブレットを使った研究というのは今後も進んでいくはずです。特に視線移動や表情読み取りという面では大きく活躍するはずです。

2022年も頻度は落ちるかもしれませんが、
自分で調べてまた更新していきたいと思います。
ぜひまた読んでみてください!


おわり


●今回参考にしたもの●
乳幼児期の子育てで使用されているデジタルコンテンツについて
デジタル絵本の受容に関する研究 -読み聞かせと黙読との比較-
幼児の言語獲得に寄与するディジタル絵本の試作
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