よか家族6
昼過ぎにポツポツ天の降りましたとよ、
■第6話 母の記憶
昼過ぎころポツポツ雨の降りましたとよ、ひどうは中(あら、雨たいね)って言う位ですね。
上から見ればもう、街中燃えよっとです、4時、5時、頃、
私の家も燃えたとでしょうだいね。
夕方になるとお父さんたちが上がってきて
誰とかやー誰とかやーて名前を呼んで探し回りました。
あん、気の利いたうちの主人のなして来んじゃろか、
て思っておったとですよ。
それが、皆んなやられてしもうとっとですよもんね。
主人の追った岩川町の
三菱電機ノ鋳物分工場は全滅やったとです。
八月1日の空襲の時は主人は助かって
死んだ人の葬式したりしたとですよ。
〈助かった、助かった)ってゆうとりましたばってんね。
あとで兄弟たちが、鋳物分工場へ行ってみてくれたんですが、
もう何もなか、骨もなかったていうてきましたと。
私も子供がおるもんけん、
身動きならず、とうとうそのままです。
(父の遺体の事)
その晩は山の上に寝ました。
下の方は燃え続けて真っ赤になっとりますた。
続きは第7話で
スキしてくれたらおばあちゃんから私の孫まで5世代が喜びます。
スキしてくれたらもちろんスキ返し行きます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?