いのちの星屑
いや、ひょっとしたら、先輩にとってみれば、ちょっと脅かせばいいなりになる、都合のいい、パシリぐらいにしか思っていなかったのかもしれない。そんな先輩にも優しいところはあった。いざというときに、地元のヤンキーから後輩連中を守ってくれた。とっても頼りがいのある兄貴的な存在でもあったし、先輩と一緒に行動をしているとすべてが勉強になった。とくにヤンキーとばったり遭遇し、
メンチのきりあいになった時にどうしたらいいかと訊ねたことがあった。すると「目を逸らさず目力を入れながら、相手に睨みをきかせんだ。ここで目を逸らしたり、目力を弱めてしまうと相手に舐められ、一生主導権を握られてしまう。殴り合わなくても、大抵、目を見れば、どんな修羅場を潜り抜けてきたかがわかるってもんだ。相手の目をじっと見ていれば、自分よりも強いのか弱いのかを見極めることが、重要なんだ」って教えてくれた。
つづく
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