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世界滅亡するらしいので異世界転生を試みたが飛び込んだのがデコトラだった件

「十日後に地球は滅亡します」
 そんな通達と共に全国民に配られたのは「安息の眠り」と呼ばれるヒグマでも一発で昏倒する強力な麻酔薬だった。
 人気YouTuberが動画配信で薬の効き目を実証してみせたおかげで、これがガセではなく紛れもない事実だと俺たちは認識する。
 地球滅亡、絶賛カウントダウン中!
 とりあえず、地球が滅亡する前にどう死ぬかが当面の問題になった。
 初日こそ無理心中や集団自殺、はては無差別殺人まで起こる無法地帯だったが、三日目にもなると多少落ち着いてくる。
 地球が滅亡するので、どこにも逃げ場はない。
 いやまて、一つだけある。そう、異世界だ!
 通常なら「異世界転生するために死ぬ」など頭が湧いてるとしか思えないが、どうせ七日後には全人類が死ぬのだ。
 だったら、バカバカしい万が一に賭けてみても構わない気がした。
 しかし、ここで思わぬ問題が生じる。どこを見てもトラックが走ってないのだ。
 トラックは主に運送業者が使用する流通の要である。が、残り一週間で地球が滅ぶのに他人の荷物を運びたいと思うやつはいない、必然的にトラックが街を走っていないのである。
 だが、ここで諦めるような俺ではない。
 ネットで検索した「死に方マッチングサイト」を利用し、死ぬ前に人を轢いてみたいトラックの運転手と渡りを付ける。
 とんだサイコパスも居たものだと思うが、ようは需要と供給。
 俺はトラックに跳ねられて死にたいし、トラックの運転手は死ぬ前に人を轢いてみたい。
 これぞまさに、win-winである。
『あ、轢かれる前にちゃんと薬飲んでくださいね。痛い思いとかして欲しくないんで!』
 これから轢き殺す相手を気遣うトラック運転手の優しさ溢れるLINEに、ちょっと涙がにじむ。
 いや、ただの真性サイコパスかもしれん。
 どちらにせよ、ここから俺の異世界転生チャレンジが始まるのだ!

【続く】

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昭和生まれ永遠の厨二病を患うやおい者。基本雑食。 noteではTwitterではぶつ切れになってしまう長文をまとめていきたいと思っております。

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