Lifetime Recipe~ & landscape~Page.01-1


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 実家近くの駐車場から車を発進させたあたしは、とりあえず虎ノ門の会社前を目指して方角的には南に降りていく。
 最初の休憩は神奈川に入ってからだな、と思う。信号で停車すると、充電しながらワイヤレスイヤフォンで繋がっているハンズフリー状態のアイフォンに音声で命令すると、早速母に繋がった。ビデオまで送ってきた。運転中なのであまり見れないけど。
「始まってる?」
『始まってるよー!』
「本人不在のくせに盛り上がってるねぇ」
 母にかけたはずが、なぜか出たのは明恋だった。
『ランチパーティいいねぇ健全で』
「そうかもね」
『咲絆、体調平気?』
 飛んできたのは母の声だった。さっきまでピンピンしていても突然症状が出るのが今のあたしの体だ。しょうがないとはいえ。
「そんな2,30分で。大丈夫だよー。快調快調」
『今日はどっかで営業してみるの?』
 明恋から質問が飛んできた。
「うーん。どうかな。とりあえずもう少しで会社だから睨みかせてから通り過ぎて、そのまま神奈川に入ったら考えてみる。あんまり都市部だと許可面倒だからなぁ。そうならないようないいところ見つけたらするつもりだけど、早くできてもアフタヌーンかな」
『そっか』
 とか、そんなたわいもない会話をしながら、あたしは車を走らせて、元いた会社のビルにFxCKサインをして通り過ぎた。完全な自己満だけどスッキリした。
 通話開始から一時間半ほどで、お父さんが仕事に向かうというのでお開きになった。明恋と母はなんなら、と一緒に買い物に出るらしい。昔から、仲のいいこってす。あたしがいない分ちょうどいいのかもしれない。
 通話が終了して、音楽をかける。最近気に入っているバンドのアルバムをそのまま突っ込んだプレイリストを垂れ流し。なんだかドライブみたいで楽しい。
 つい鼻歌が漏れる。気分が上がってすごく気持ちがいい。
「よし、頑張ろう」
 改めて、なんか心が引き締まった気がした。逃げるわけじゃない。戦いに行くのだ。
 晴天の空を望んで、思う。
 見てろよ太陽。これから、大逆転までとは行かないまでも、この体に、その運命に、少しでも抗ってみせるからな。
 

基本的に物語を作ることしか考えていないしがないアマチュアの文章書きです。(自分で小説書きとか作家とか言えません怖くて)どう届けたいという気持ちはもちろんありますけど、皆さんの受け取りたい形にフィットしてればいいなと。yogiboみたいにw