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硯考

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硯と磨墨のしくみ
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#書道

硯考 書と禅

今回は大森曹玄 著「書と禅」を参考に気韻生動について考えてみます。 大道に入る門はなく、…

めばる
2週間前
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硯考 淡墨で交差する順序が書き順と逆になるのはなぜですか。その2

前回の実験では枯墨(製造後約20年経過)を使用しました。 その結果、淡墨で交差する順序が書…

めばる
3週間前
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硯考 淡墨で交差する順序が書き順と逆になるのはなぜですか。その1

今回は、淡墨の線が重なるとき先に書いたほうが上に見えるのはなぜですかというご質問がありま…

めばる
3週間前
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硯考 書の線質について

書の線質とは何かについての話から、先生はこういう引用をされました。 「神気骨肉血」 これ…

めばる
3週間前
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書道について

今日は私の学びの一つ書道について考えてみたいと思います。 写真は、今月の課題を書いた習作…

めばる
3年前
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書とは何か

今日は書とはなにかについて考えたいと思います。とは言っても、まだまだ修行中の身であるため…

めばる
3年前
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書道における筆蝕とはなにか 石川九楊の筆蝕理論の考察

2022.11.13作成 石川九楊 著作集 別巻Ⅲ 「遠望の地平 未収録論考」 ミネルヴァ書房 を参考にしました。 このぶ厚い本は内容が非常に濃いものですから、読むのに2週間を要しましたが、得るものは果てしなく膨大なものです。この中でとくに筆蝕についてスポットを当て理解を深めようと思います。 Pは引用の該当ページ、■は、めばるの考察です。 P23 筆と紙の間に働く力「筆蝕」は、自己と他者の接触感覚とその痕跡に他なりません。書字って、手によって刻む自他、社会関係

硯考 鋒鋩について

硯には鋒鋩という刀の切っ先のようなものがあって墨をすりおろしているとよく言われます。さて…

めばる
3か月前
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「書譜」孫過庭

ある書道の先生とのお話の中で「書譜」が出てきたので、蔵書を引っ張り出して考えてみました。…

めばる
3か月前
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書字は人の人格を表すのか?

私たちが書く字はその人の人格のようなものを映し出すものなのでしょうか。例えば几帳面な方が…

めばる
3か月前
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川中島 人馬声なく草も伏す 川中島に霧ふかし ・・・

恥を忍んで出してみました。 数年前のものです。競書で頑張ってた頃、一寸書いてみました。 N…

めばる
3か月前
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端渓硯 坑仔巌 その1

坑仔巌 先日、大手の書道具通販メーカーSにて購入した坑仔巌硯です。早速、硯の見本と照合確認…

めばる
3か月前
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「継続は力なり」の考え方

「継続は力なり」ということばがあります。由来は、諸説あるようです。その中でも有力なのは、…

めばる
2か月前
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硯考 漢字用とかな用の墨

今回は、かなに漢字用の墨を使うとどうなるかについて考えてみました。 漢字用として古梅園の紅花墨(三星)、かな用として古梅園のかな用櫻形を使用しました。 これら二つの墨の大きな違いは価格を別とすると、原料となる煤粒子の違いです。一般にかな用の油煙墨漢字用に比べて微粒子で、さらっとしてのびが良いという特徴があります。漢字用は粒子はそれほど細かくなく粘性も高い傾向があります。 漢字用の墨がかなで使えないということはありません。その差はどこにあるのでしょうか。ここでは字形よりも線