マガジンのカバー画像

硯考

18
硯と磨墨のしくみ
運営しているクリエイター

記事一覧

書道について

今日は私の学びの一つ書道について考えてみたいと思います。 写真は、今月の課題を書いた習作…

めばる
2年前
8

書とは何か

今日は書とはなにかについて考えたいと思います。とは言っても、まだまだ修行中の身であるため…

めばる
2年前
13

書道における筆蝕とはなにか 石川九楊の筆蝕理論の考察

2022.11.13作成 石川九楊 著作集 別巻Ⅲ 「遠望の地平 未収録論考」 ミネルヴァ書房 を参…

めばる
1年前
13

硯考 鋒鋩について

硯には鋒鋩という刀の切っ先のようなものがあって墨をすりおろしているとよく言われます。さて…

めばる
2か月前
3

美とは何か?

きれいと美しいの違い noteにきれいと美しいの違いは?という問いがあったので少し考えてみま…

めばる
2か月前
2

赤間硯、芦雪、大観

赤間硯 円硯 4月8日山口県の萩に行ってきました。今回の萩行きの目的は、この度、2024年山口…

めばる
2か月前
3

「書譜」孫過庭

ある書道の先生とのお話の中で「書譜」が出てきたので、蔵書を引っ張り出して考えてみました。参考にしたのは、 「書譜」西林昭一 明徳出版社(1972)です。 概要 唐時代に書かれた書論で、王羲之をはじめとする能書家を評価し、書芸術の価値を論じ楷行草の学書法や技法を解説したものです。この中で孫過庭は調和の美を説いています。 精神と技法 精神とは精神を陶冶するという意味での「道」と技法というのは練習を重ねて得られた「技芸」を意味しています。これら二つを偏重しないこと。さらに、技法

書字は人の人格を表すのか?

私たちが書く字はその人の人格のようなものを映し出すものなのでしょうか。例えば几帳面な方が…

めばる
2か月前
5

川中島 人馬声なく草も伏す 川中島に霧ふかし ・・・

恥を忍んで出してみました。 数年前のものです。競書で頑張ってた頃、一寸書いてみました。 N…

めばる
1か月前
8

端渓硯 坑仔巌 その1

坑仔巌 先日、大手の書道具通販メーカーSにて購入した坑仔巌硯です。早速、硯の見本と照合確認…

めばる
1か月前
4

「継続は力なり」の考え方

「継続は力なり」ということばがあります。由来は、諸説あるようです。その中でも有力なのは、…

めばる
1か月前
6

硯考 漢字用とかな用の墨

今回は、かなに漢字用の墨を使うとどうなるかについて考えてみました。 漢字用として古梅園の…

めばる
3週間前
6

硯考 すみすりの効用

すみすり   すみすりとは墨を磨ることである。書を書くという道は「すみすり」から始まる。…

めばる
1か月前
8

硯考 なぜ濃墨をうすめるのですか?

今回はすみすりのはなしです。 墨を磨るときに、濃い墨を磨ってからうすめるようにとよく言われます。 さてどうしてでしょう。 結論を先に言うと、こうするほうが墨が細かく均質になるからです。 まず最初に、絵の具を例にして説明します。 絵の具をチューブからそのまま水に落とすとなかなか溶けません。 これは小さな塊ができていてすぐに溶けないためです。 一方、一度少量の水で塊をほぐしてから水を加えるとすぐに細かく溶けます。 二つ目の例はココアです。ココアの粉は微粉末ですからそのまま