Last Goodbye
コーヒーの香りがする。名前を呼ばれている。彼の声だ。頬に指が触れた。目を開けたら目の前に端正な彼の顔があった。
「起きて。朝ごはんできたよ。」
鼻の頭にキスをされる。なんで起こさないんだよ、と僕は文句を言う。今起こしたよ、と彼は微笑む。そうじゃなくて、彼が起きる時に起こしてもらいたいのだ。眠りの浅い彼は、僕がかけた目覚ましよリも早く起きて、目覚ましを止めてしまう。それからシャワーを浴びて、朝食を作り、僕を起こして一緒に食べる。身だしなみを整えると、ぴしりとスーツを着て、仕事に