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patch

 旅行前から感じていた腰痛が長時間のフライトで悪化した。日に日に痛みは強まるばかりだ。数日前には腰をかがめるのが少し辛いくらいだったが、いまやくしゃみをすれば腰に痛みが響き、机の前で作業をすれば数分で座っていられなくなる。耐えきれず薬局に向かった。
 店員を捕まえて”I have a back pain. Do you have something for that?”(腰が痛いです。何か腰痛に効くものはありますか?) と聞くと、“Do you want a patch or pills?”(貼り薬ですか?飲み薬ですか?)と尋ね返された。貼り薬をpatchということは知らなかったが、pills(飲み薬)との対比でわかった。”A patch”と答えると、貼り薬のコーナーに案内され、”I recommend this”(これがおすすめです)と”heatrap”なるものを渡された。患部を温めることによって痛みを軽減する商品のようだ。パッケージには”drug free”(薬剤不使用)とも書いてある。こんなもので本当に良くなるだろうか、もっと即効性のものはないのかという思いが頭をもたげた。決心がつかずにパッケージを眺めていると、通りすがりの別の客が”That works really well”(よく効くよ)と教えてくれた。その一言で踏ん切りがつき、それを持ってレジに向かった。念の為に痛み止めが入った湿布も一緒に。
 腰の痛みとともに覚えたpatch(貼り薬)という単語を忘れることはないだろう。

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