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工学部・工学研究科の就職・進路について

「まだまだ先のことだけど、就職についても気になるな・・・」
そんな漠然とした悩みや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

私もそうです!!(でした?)

というわけで、工学部材料科学総合学科のMickです。
現在は博士課程(注1)の2年生として研究をしております。
最近は就職活動もしており、いろんな会社さんを見学したり、
先に就職した友人の話を聞く機会が多くあります。
就職にまつわる悩みや不安を皆様と一緒に解決していきたいと思います。

博士課程というのは
・学部課程 4年間 (高校卒業後に入学できるいわゆる「大学」)
・修士課程(博士課程前期) 2年間 (大学院)
・博士課程(博士課程後期) 3年間 (もう一回、大学院)←ココ
という、大学に入った次の次みたいな感じのところです。
主に研究者を養成する課程です。
研究者になりたい人はぜひ行ってみてください。
楽しいですよ〜

注1

とりあえずデータを見てみよう

公開されているデータをいくつか見てみましょう。
「東北大学 工学部 就職」で検索してみました。

学部卒業生の進路

東北大学工学研究科・工学部の公式ウェブサイトの
「令和3年度学部卒業生進路」によると

進学(博士課程前期):731 名
就職        :76 名

令和3年度学部卒業生進路より

となっており、「」に行く人が多いようです。
少数ですが就職している人もいますね。

これは私の体感にも合っています。
学部の4年生の際に大学院試験を受けて、大学院に多くの人が進学していました。もう少し研究したり専門分野について勉強したりする人が多いです。

また、少数派にはなっていますが、就職した友人もいました。
「勉強が嫌だった」とかそういうネガティブな要因ではなく
「実務の経験を積みたい」とか「海外で働ける機会が得られた」
とか、すごく積極的な理由が多いイメージです。

実際に知人では、大手航空会社のエンジニアとして採用された人や、友人と一緒に会社を立ち上げた人がいます。
(起業は厳密には就職ではない気がしますが、いったんスルーしましょう)

博士課程前期卒業生の進路

さて「次」に行った人たちはどうしているのでしょうか。

進学(博士課程後期):81 名
就職        :601 名

令和3年度大学院卒業生進路 博士課程前期より

学部とは値が逆転していますね。就職する人の割合が多いようです。
就職先としては

製造業   :354 名
通信・運輸業:78 名
建設業   :48 名
サービス業 :48 名

令和3年度大学院卒業生進路 就職先業種別内訳より

となっており、さすが工学研究科といった感じですね。
もう少し具体的にどこの企業に行っているのか見てみましょう。

とりあえず私の所属している「マテリアル・開発系(注2)」の進路を見てみます。

マテリアル・開発系とは主に材料科学総合学科と、大学院の材料系の研究室に所属している学生が入っているグループです。

注2

鉄鋼・非鉄・金属:31 %
自動車・機械  :17 %
電子・電気・情報:17 %
進学      :13 %
その他     :22 %

大学院 工学研究科 修了生の進路 (マテリアル・開発系)
令和2年度 就職(進路)状況 修士課程より

「鉄鋼・非鉄・金属」や「自動車・機械」は確かに材料(マテリアル)っぽいですね。専門性を活かした企業に就職する人が多いようです。

また、その他の項目の具体的な企業名を見てみると

東海旅客鉄道株式会社/東日本旅客鉄道株式会社/伊藤忠商事株式会社/三井不動産株式会社/特許庁

大学院 工学研究科 修了生の進路 (マテリアル・開発系)
令和2年度 就職(進路)状況 主な就職先より

となっており、材料とは比較的関係性の薄い企業に就職する人もいるようです。専攻が材料系であったとしても材料という分野に縛られることなく、就職する企業には自由度があるようです。

実際、私の知人でもIT企業やコンサルティング企業に就職する人も何人かいました。珍しいケースだと広告代理店でコピーライターをしている人もいます。大学で何を学んで、その力をどこで活かすのかは人それぞれということだと思います。

博士課程後期卒業生の進路

さて冒頭で「次の次」と称した研究者を養成する課程に進学した人たちの進路は以下のようになっているようです。
これも同じく「マテリアル・開発系」のものを参照しています。

大学・研究機関 :39 %
鉄鋼・非鉄・金属:19 %
電子・電気・情報:23 %
自動車・機械  :4 %
その他     :15 %

大学院 工学研究科 修了生の進路 (マテリアル・開発系)
令和2年度 就職(進路)状況 博士課程より

先ほどまではなかった「大学・研究機関」の項目が増えており、研究者として大学や研究機関で働く場合には博士課程後期に進学する必要があるようです。しかし一方で、一般の企業に就職する人の割合も高いです。私の先輩も半分ほどが大学や研究機関に就職、もう半分ほどが企業に就職という感じでしたので違和感はありません。

修士課程で就職した人は、工場の管理、技術営業、機械エンジニア、プログラマーなど業務内容が多岐にわたっていることが多いですが、博士課程で企業に就職した先輩はほぼ全員が企業の研究所で研究をしています。やはり「研究者になりたい!」と思ったら博士課程に進学するのが良いでしょう。

まとめ

今回の記事では公開されているデータと、私の周りの先輩や友人の状況を踏まえつつ、工学部・工学研究科の進路・就職について概観してみました。

大学院の修士課程から製造・通信・運輸・建設などの企業へ就職する人が多いですが、その他にも様々な働き方・キャリアを歩んでいる人がいることがわかりました。ぜひ皆さんの将来の進路の参考にしていただければと思います。

次回は、もう少し私の個人的な体験談や、知人の就職活動の思い出などを踏まえつつ具体的な就職活動のプロセスを書いていければと思います。

それではまた。

続編はこちら


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