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市場価値を高めるとは何か|「市場価値を上げたい」という転職理由に対するPLEXの回答

株式会社プレックスでHRマネージャーを担当している平井です。

現在4期目で、事業も成長を続けており、組織も拡大している昨今、ありがたいことに様々な方にご興味をお持ちいただき、ご応募いただいたり、お話させていただいたりする機会が増えています。

その中で、「市場価値を上げたい」という意欲的な方が多くいらっしゃるのですが、「市場価値ってなんですか?」と質問させていただいた際に、いかんせん「営業」「Webマーケ」などのスキルタグ、職種タグのような観点であったり、「成長している産業」といった環境面の観点でお話される方が多い印象です。

そこで、弊社としてはどういった方が市場価値高いと感じるか、市場価値をどう捉えているかを回答させていただければと思います。
※ あくまで2022年において、弊社が捉える「市場価値」という言葉についての意味になりますので、他の「市場価値」という言葉に対する捉え方を否定するわけではございません


市場価値という抽象度の高い言葉

市場価値の定義もかなり人によって異なるとは思いますが、「転職してもらえる給与」「フリーランスとして貰える業務委託報酬」といった文脈で語られているケースが多いかと思いますので、「個人や、個人の仕事のアウトプットに対して支払われる金銭的な報酬(給与)」という認識で話を進めていきます。

弊社として市場価値及び給与は、

・利益をどれだけもたらしたか
・事業が想定していた到達点に至るまでのスピードをどれだけ早めたか
・起こりうる課題に対して先回りして取り除くことができたか
・起きてしまった問題を最小限の労力、コストで抑えられたか

といった、「経営や事業に対してどれだけ貢献したか?(もしくはどれだけ貢献するかを解像度高く想像できるか)」という観点で、市場価値(給与)を判断、決定しています。

つまり、「営業とマーケの経験があるから年収600万円!」のような給与の決め方はしておらず、「こういう課題や目的に向けて、Aさんであればこのくらいのバリューを発揮できそうだ」という仮説のもと入社時のオファー金額を提示し、その後、実際に入社いただいてからの成果を鑑みて、随時給与の調整を行っていきます。

入社して様々な経験を積む中で、入社時よりも出せるバリューの幅や深さが広がればより高い報酬を得ることができ、逆もしかりという考え方です。

そのため、いわゆる営業のポジションが担うであろう、「新規顧客との契約数の拡大」や「1顧客辺りのLTV向上」などの目的に対して、バリューが出せることを解像度高く説明することができれば、営業経験が全く無くても採用になります。

その後、契約数を拡大した結果得られた利益や事業進捗に対して、諸々の間接コストや事業投資などを含め勘案し、個人の報酬も一定周期で査定が行われ、変更されます。

なぜ、営業やWebマーケティングなどのスキルタグが市場価値と認識されるのか?

これは単純に、採用ポジションと同じ業種や職種で業務経験があると、「求める価値を発揮する可能性が高い」と「採用する側」が認識しやすいからでしかないと思っています。

例えば営業経験やマーケティング経験がない面接官が、営業のポジションについてスキル面の選考をしなければいけないときに、全くの営業未経験よりは営業経験者の方が成果を出せそうと認識します。
※スキル面の選考をその職種未経験の人がするのは難しいので、ジャッジするポイントを面接するメンバーで分けていることが多いとは思いますが...。

つまり、スキルタグ、経験タグは、採用するポジションに対して判断する側の解像度が低い場合には有効な手段になります。

しかし、そのポジションについて解像度が高い相手の場合は、「折衝相手はどういう課題を抱えているか」「競合と比較されたときに、どういうコミュニケーションを行って契約までつなげているか」など、結局はその中身の部分を詳細にヒアリング、ジャッジされることになると思います。

そのため、入社してパフォーマンスするまでを考慮すると、スキルタグの数を増やすのも1つ大事ではありますが、その中身の解像度がどれだけ高いか?というのも重要な観点になります。

※中身の解像度というのは、経験歴の長さではなく、該当の役割がどういう構造の中にあり、どういう変数と定数があり、どう動かすのか?というところの理解の幅と深さと粒度。

「事業に対して貢献する人」になるって、抽象度高くて何をすればいいかわからない

これだけでは抽象度が高く、目下どういう仕事をしていけばいいのか、キャリアを歩めば良いのかというところがわからなくなってしまうかと思うので、具体的にやっておくと良さそうなこともお伝えできればと思います。

・事業を取り巻く構造の理解を深める
・自分の役割、オペレーションを取り巻く構造の理解を深める
・人の感情を取り巻く構造の理解を深める

まだまだ抽象度が高いので、もう少し具体的に解説します。

事業を取り巻く構造の理解を深める

簡単に言うと、自分が携わっている事業は、どういった産業の中で、どういった顧客、どういった価値を提供しているのかという理解です。

弊社の物流キャリア事業では、

・ECの加速により運ぶ荷物の個数は増えていくが、運ぶ人が減少している
・ドライバーの平均年齢が高く、高齢化が進んでいる
・物流領域での転職/採用の情報の非対称性が強く、双方にとってミスマッチを生みやすい

などの産業のトレンドがあり、その中で、

・ドライバー採用に課題を解決したい企業と、転職をしてなにかの希望を叶えたい求職者が顧客
・弊社の中では、企業を集客するセールス、求職者を集客するマーケティング、双方をマッチングするキャリアパートナーの3職種が主軸となる

・企業と求職者の間に物流領域の転職/求人事情に詳しいメンバーが介在することで、世に出づらい求人や求職者の魅力を双方に伝達することで、採用を支援する、ミスマッチを防ぐ

という価値を提供できるといった形です。(かなり省いていますが、ご了承ください)

事業を取り巻く構造の理解度が高いと、別の事業に転職する際に今まで関わってきた事業の話をすれば、「自社の事業を深く理解しているのであれば、弊社でも事業を理解して、必要な役割を考られそうだ」と認識してもらいやすくなります。

そのため、まずは自分が今勤めている事業を取り巻く構造がどうなっているのか?どういう価値を提供して、どのくらいの収益を受け取っているのかなどを図やテキストで書き出して見て、可能であればより上のレイヤーの人にも聞いてみると、どんどん事業を取り巻く構造の深さ、詳細さがましていくと思います。

自分の役割、オペレーションを取り巻く構造の理解を深める

次に、自社事業の構造の中で、自分がどういう役割を担っており、その役割の中でどう考え、どう行動することが求められるのか?という構造の理解です。

例えば、企業と求職者をマッチングするキャリアパートナーという役割を担っていたとします。

弊社の上記の事業を取り巻く構造を踏まえると、

・企業及び求職者からの情報を取得するための関係性を作る
・企業及び求職者の課題や希望をヒアリングして、理解をする
・双方の希望や課題解決につながる点を見つけて伝達し、納得してもらう

といった点が求められると考えられます。

さらに深ぼっていくと、企業や求職者はどういう時間帯での連絡を好むのかなどの細かい情報があり、それらの情報を総合的に考え、こういう時間帯にこういった連絡をすることで情報を取得するなどの具体的なオペレーションに落とし込んでいきます。

こういった構造の理解があった上で実行までできていると、自分が関わっていた事業や職種について事前情報や知識が少ない相手に対して納得感のある説明をすることができ、「自社で求める役割においても、複雑な情報を元に適切なアプローチをしてくれそうだ」と認識してもらいやすくなります。

参考までに、採用という業務の構造を自分なりに紐解いてみた記事をご覧いただけるとイメージがしやすいかと思います。

業務として「何が揃えば成果につながるのか?」というところを、図やテキストで書き出してみて、可能であれば同じ業務をやっている自分より強いと感じる方に聞いてみると、また新たな発見があるかと思います。

人の感情を取り巻く構造の理解を深める

最後に、人の感情を取り巻く構造理解ということですが、弊社では多くの仕事において、自分以外の人が関わり、その人たちの意思や行動を動かしていくことが仕事において求められると考えています。

そのためには、論理や合理だけで人を動かすことは難しく、感情面の理解も重要だと考えています。

例えば、ドライバーの採用に困っている企業の採用担当者は確かに採用に困ってはいますが、採用以外にも自分が現場に出ていたりして忙しいという状況だった場合、「採用に困っているから、候補者の紹介は嬉しいはずだ」というロジックで求職者の履歴書確認を急かしたとします。

その場合、もしかしたら「忙しいのに自分の都合で連絡を急かしてくる人」と認識されてしまい、新しい求人を出すときに連絡するのを心理的に嫌に思ってしまったり、面倒だから連絡の返事をしなくなったりしてしまう可能性があります。

理解する対象は顧客の場合もあれば、社内の人の場合もありますが、それぞれの人がどういった環境に身をおいていて、どう考える傾向にあるのか?という仮説を自分なりに持っておくことは、「人に何かをしてもらう」必要がある業務において汎用的に使える考え方だと考えています。

この理解度が高かったり、仮説を複数持っていると「自社で関わる社内メンバーや顧客に対しても理解し、動かすことができそうだ」と認識してもらいやすくなります。

これらの理解を深めるとどうなる?

これらの理解について深めていくと、恐らくどこかのレベルで職種とかスキルとかはあまり関係ないと感じるようになっていて、「だいたいこのくらいの収入がほしければ、こういった産業の、こういった事業の、こういった役割で、このくらいの価値を出せば良いな」という当たりがつくようになり、転職市場での評価を気にせず、自分が事業の中で提供できる価値や能力を磨くことにフォーカスできるようになっているかと思います。

様々な方に会った経験上、このような状態になっている方は様々なオファーを貰っていたり、自分から報酬を提示し、実際に価値を出しているなという印象があります。

PLEXで市場価値は上がる?

弊社では複数事業を展開していく経営の方針もあり、様々な役割で価値を発揮できる人が多く活躍している組織が理想的です。

そのため、今までに述べてきたような観点での能力開発には力を入れており、いわゆる「営業スキル」や「リスティング運用スキル」というスキルタグでの能力開発ではなく、

・どうすればより高い成果を出せるのか?
・この課題はどういう構造になっていて、どこが変数なのか?
・相手はどういう心理状態なのか?

といった、他役割や他職種になったとしても使える、汎用的な考え方や実行について抽象と具体でオンボーディングや能力開発を行っています。

より強い人が増えることが弊社のミッションや経営方針としては必須になるので、前述してきたような意味での市場価値を上げたいモチベーションが高い方にはお応えできるよう、弊社も能力開発にはコミットしていきます。

このあたりの能力開発や、どういう人にフィードバックを受けるのか?みたいなところは、定性的かつ直接話して頂いたほうが感じられるポイントだと思います。


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