「僕らはSNSでモノを買う」を読んでメモ

僕らはSNSでモノを買う:飯髙 悠太 (著)

話題のULSSAS本を後輩が読んでいたので借りた。メンバー内で同じ本を読むと、知識のベースが揃って仕事が面白くなるのでおすすめ。前半のSNSマーケティングの話も面白いのだけど、後半のコンテンツを作るときに考えるべきことの方が頭の中が整理されて、個人的に面白かった。

企業がSNSマーケティングをやった方がいい理由

SEOやリスティング広告など検索ベースの顕在層にしか届かないマーケティング施策だと、少子高齢化のこの時代マーケットは広がらない。作ったWebページの情報も、世の中にWebページが多過ぎて99%は届かない。

そんな中、未だ友人知人の口コミは、ユーザーに届きやすい。人は企業が出した広告ではなく、自然発生した口コミの方を強く信頼する。なので、SNS上でユーザーが自発的に作ったコンテンツ「UGC」が発生していれば、モノが売れるチャンスがある。

UGCは情報の信頼性が高く、ユーザーの行動変換やシェアが起こりやすい。UGCが増えると、サービスの指名検索が増えて、それは売上に直結する。

SNSマーケティングのKPI

SNS施策を行う場合、KPIはフォロワー数に設定されていることが多いが、それは手段であって目的ではない。大事なのはフォロワーの数ではなく質。キャンペーンで得た一時的なフォロワーではなく、自分に変わってコンテンツを拡散してくれる質の高いコアなファンが入れば情報は伝搬しやすい。

SNS時代における情報の広げ方

SNS時代の情報は一企業から複数ユーザーへの一方向で伝えるのではなく、UGCを作り上げ、複数の場所で自然に広がっていくイメージを持つことが大事。SNS全体でどう取り上げてもらえるか?どう広げてもらえるか?を考える。自分たちが発信するだけではなく、UGCを発生させて広げるところまでがSNSマーケティング。企業は検索を増やすような種まきをしてアテンションを増やす必要があるけど、SEOやリスティング広告はユーザーの行動に頼りきりでそれができない。

SNS時代の購買プロセス「ULSSAS」

Twitterでの大きなバズはインフルエンサーによって生まれていると思いがちだが、実は距離の近いリアルな知り合いによって連鎖していく。なので、企業にとって質の良いインフルエンサーは、プライベートかソーシャルグラフでTwitterを使っていて、フォロー数が30人から300人程度だがツイート数が1万以上のユーザー。そういう人にフォローしてもらうことを心がける。そのため、企業がUGCの発生起点になれるよう、公式アカウントからの投稿やユーザー参加型のコンテンツなど行う。

UGCが生まれていない場合はコンテンツを作成する

コンテンツは潜在層にもアプローチできる。少子高齢化が進んだ今、売上を伸ばすには潜在層に向けたアプローチが必要。今までは潜在顧客にアプローチできる手段はマス広告だけだと思われていたが、コンテンツも潜在顧客にアプローチできる数少ない手段。

オウンドメディアを運用する上で大事なこと

オウンドメディアは潜在顧客にコンテンツをフックにしてアプローチする手段である。PVだけを追いかけるのは違う。顧客に届いているかが大事。どの数字が大事かはメディアの存在意義によって変わる。

オウンドメディアにリスティング広告のような直接のコンバージョンを期待すること自体が間違い。目的は広告で届かない層にリーチすること。購入意欲を高め、育てる場。

また、オウンドメディアのメリットとしては、ストックコンテンツなので、広告が出稿時にピークを迎えるのに対し、どんどん伸びていく。

オウンドメディアを立ち上げる時に大事なこと

誰の、どんな課題を、どのように解決するのかを、決めることが大事。その次はペルソナ設定。企業が運営する上でテーマとして大事なことは、「より深く、より狭く」情報の99%が届かない今、深さの追求はこれからのコンテンツマーケティングの課題。

コンテンツの質と量、評価について

質も量もどちらも大事。記事ごとに目的を明確にする。例えば「量」、検索キーワードの掛け合わせでひたすら検索に引っかかる記事を作る。「質」、導入事例のように検索に引っかかりづらくても深く刺さる記事も作る。カスタマージャーニーを作ってどのタイミングでどの記事を読んでもらいたいか、それにはどれぐらいの長さの記事がいいか、を決めていく。また、読んでもらうために最初の拡散は企業の社員が個人アカウントを作り、そのアカウントを育てながら拡散していく。

まとめ

サイトで指標にすべき数字を決める、記事ごとに数字を確認して仮説を立てる、仮説に沿って改善を重ね最適化を目指す。

マーケティングは商品を取り巻くすべての環境を見渡して、全体最適化の考え方で取り組む。商品を真ん中において、全体を俯瞰して見ることが大事。


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