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馬と鹿|谷口賢志note
「馬鹿にでも理解できるように、わかりやすく創りました!」と言われて、作品を喜んで楽しむ人間はあまりいないだろう。逆に、「難解に創りましたので、馬鹿には絶対わかりません!」と言われても、多くの人は気分良く思わないだろう。
つまり人間は、馬鹿だと思われたくないのだ。
たぶん。
であるならば、本当は誰にでも理解できる程度の謎を「この難問——君に、解けるか?」と観てもらえば、ほとんどの人が気持ち良く解けるわけだから、みんな気分が良いのではないかと言えばそうでもないだろう。
「こんなのは謎は馬鹿でも解ける!馬鹿にしてんのか!馬鹿!」となるはずだ。
たぶん。
つまり人間は、自分を馬鹿だと思われたくないくせに、誰かを馬鹿にはするのだ。
たぶん。
簡単なのは、絶対に自分が理解できる範囲でだけ生きることだ。そうすれば少なからず馬鹿にされることはない。そして自分がわかることを理解できない人を馬鹿にして生きる。それが完璧だ。
たぶん。
わかならいものがあることを馬鹿と呼ぶならば、人類皆馬鹿だと思うけれど、そもそも自分が違う意味で馬鹿なことは知っているし、自分が理解できる範囲で生きるのも、誰かを馬鹿にするのも真っ平ごめんなので黙る。
「馬鹿と言った奴が馬鹿」と教わったから。
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谷口賢志
映画『文豪ストレイドッグス BEAST』
谷口賢志FC『独演会』
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