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ワーホリ・ジョブハンティング④ 根性の履歴所配り

とりあえず英文履歴書は作成出来ました。日本の学生バイト探しでは申し分ない経歴ですが、この国ではクソほど役に立たないなと、出来上がった履歴書を見て思いました。長くも働けない、経験もない、英語もネイティブではない。果たして、誰がそんな人間を雇うかと。。。

しかし、やってみないと何事も分かりません。

僕は職種は問わず、「日本人が経営に一切関係ない店」条件に自転車で街を回り始めました。

記念すべき売り込み1店舗はショッピングセンター内の雑貨屋でした。人生でトップ10には間違いなく入る「勇気を振り絞った瞬間」でした。その頃には、英会話の自信はそこそこありましたが、アジア系の聞き取りやすい英語に慣れていた私は、オージー(オーストラリア人)の流れるような英語が苦手でした。

ともかく、行こう!
カウンターのおばちゃんに用意していた英語で、笑顔で話しかけました。

Hello, I'm just wondering if you guys have any position available? I'm looking for a part-time job now...

すると、おばちゃんは申し訳なそうに、でも笑顔で答えてくれました。

Sorry...we don't.But they might be looking for someone.

なんと親切にも他のお店を紹介して下ったのです。とても感動しました。
きっと変な顔をされて、拒絶されると心配していましたが、実際は違いました。やってみないと分からないなとつくづく感じました。
話し終えてお店を出たあとの、なんとも言えない心臓の高鳴りは今でも覚えています。

しかし、ここで落ち着いてはいけません。さっそく教えられたコンビニに行きました。

そこではこう言われました。
「レジュメ(履歴書)は持ってるか?今日はボスはいないから渡しておいてあげるよ」
これは、その時の僕にはなんとも大きな収穫です。やっと仕事探しが本格的に動き始めたと思いました。
「わかった、また連絡して」 と伝えてお店を後にしました。

意外と行けるな、というのが当時の感想です。

次に回ったのは喫茶店です。僕の街にはオシャレな感じのカフェが多く、日本で飲食店でのバイト経験を言えば、なんとかなるんじゃないかと期待していました。

しかし、結果は残念。
どうやらカフェではバリスタの資格を持っている人が欲しいらしく、資格がない人はウェイターとして働くしかないとのこと。でもとりあえずレジュメはボスに渡しておくとのことだったで、レジュメを渡しました。

履歴書を配り歩き始めて思ったのが、やはり「履歴書配り」は何も特別なことではなく、お店の対応も慣れていること。そして、中々親切に対応してくれること、でした。

こうして毎日5、6件ほど良さそうなお店を回っていきました。飲食店は出来るだけ避けたかったので、雑貨屋やお土産屋、コンビニ、酒屋、レンタカー、映画館などを回りました。

3日もやっていくと様相がかなり掴めてきました。まず、マクドナルドやケンタッキー、大型スーパーマーケットなどは望み薄であること。こうしたお店はそもそも募集は全てホームページから行っているため、履歴書を持っていっても取り合ってはくれません。もちろんホームページから応募はしましたが、質問内容からして受かる気がしません。外国らしく、前職のリファレンスなんかも入力する必要があったので、日本の地元の友達を入れときました(笑)

また、お店に行ったときには、まずオーナーがいるかを確認することが重要です。親切に対応してくれるお店もあるとはいえ、基本的にオージーはテキトーです(笑)。自分からプッシュしないと、ほとんどスムーズには進まないのがオーストラリアだと覚えておいてください。

僕は個人経営のお店に狙いを定めました。お店によっては、店の窓に求人の張り紙をしているので、そうしたお店は猛アタックします。

2回に1回くらいは、レジュメを受け取るのと同時に、週にどのくらい入れるか、経験はあるか、を聞いてくれるお店に当たります。そんなときは、どの曜日でも週に何日でも入れること、経験は無くとも、日本での経験はあると伝えていました。
お店の反応はまちまちです。優しく対応してくれて、飴をくれる所なんかもあれば、冷たく突き放されることもありました。

そんな調子で、お店や会社への飛び込みも2週間もあればきっと連絡が来るだろう、仕事も手に入れられるだろう、と思いながら最初はやっていました。
しかし、これが甘かったんですね。。。

【これはフィッシュアンドチップスの求人ですね】

【こーゆー大手チェーンのは大体受かりません。。。】

履歴書配りを初めてから1週間が経ちました。連絡は一切来ません。

この時やっとこの国で外国人が仕事を手に入れることの大変さを実感しました。
同時に分かってきたことは、日本以上に仕事を手に入れる上で人脈が重要であることです。生活のあらゆることに関して、知り合いを紹介するシステムがオーストラリアにはあるように感じました。そして、基本的にお店は経験がある人間を雇おうとすること。未経験者を0から育てるという考え方をあまりしません。

となると、果たして誰が自分を雇うだろうか??
履歴書を受け取ってもらただけで喜んでいた自分が馬鹿らしくなりました。手渡した履歴書の内、店長や上司に渡ったのは一体何枚あったのだろうか?

作戦変更はやむを得ません。

まずは、仕事内容へのこだわりを完全に捨てました。
ケバブ屋だろうが、ガソリンスタンドだろうが構いません。
加えて探索範囲も拡大しました。自転車で30分以内なら、ギリギリ許容範囲です。

その一方で、ピザ屋を重点的に狙いました。日本で本格的なピザ屋でバイトをしていたことがあり、生地を丸くして、釜で焼くとこまでしていました。ピザ屋は至る所にありましたし、この経験を話すと、中々良い反応が得れます。

もちろん、ガムツリーでの求人チェックも欠かしません。それまではビビってやらなかった、電話での問い合わせも始めました。メールで連絡しても、まず返ってきませんからね。

当時、心配だったのはとにかくお金です。元々の用意も少なかったくせに、調子に乗って車を買い(もちろん中古。17万のおんぼろ車)、前のバイト(寿司屋)も思い切って辞めていたので、毎週の家賃や食費でお金は確実に減っていきます。

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