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継続する技術

かの有名なイチロー選手は、高校時代の三年間、毎日寝る前に素振りを10分だけやったらしい。
継続は力なりとはよく言ったもんで、イチロー選手の活躍はご案内の通りだろう。

で、このイチロー選手の成功を知っているわけだから、それに倣って自分も毎日何かしようと思うのだけれどどうも続かない。
毎日映画を観るとか、毎日筋トレするとか、毎日読書するだとか、最初の数日は意気込んでやるのだけれど、徐々に雑になって苦痛になって辞める。
学生時代、新しいノートを買ったら最初の数ページだけ丁寧に書くタイプの私だ。

「毎日コツコツやるという才能が俺にはないな」

と、諦めていたある日、【継続する技術】という目標達成アプリを見つけた。
Twitterなどで皆が「マジオススメ!」「神アプリ!」などとのたまっていて、アホと嘘と胡散を煮詰めてとんでもない臭さになっている。

本当か?

なんでも、目標を設定する──例えば『毎日5分⚪︎⚪︎する』──とあら不思議、いつの間にか30日間達成しているという。

嘘じゃねぇだろうな?


まぁ、インストールしてやってみた。
私は『毎日5分間本を読む』という目標を設定した。
するとあら不思議、30日間毎日5分間本を読むことができた。
なんだったら読み始めると止まらなくなって5分以上読んでいる。

次に設定した目標は『毎日上方落語を聴く』。
上方弁の人が出てくる江戸落語を極めたいので、毎日上方落語を聴いてみた。
こういう勉強の目標が最も続かないのだけれど、30日間達成できた。
地元の噺、野崎詣りは覚えてみたい。

先月設定した目標は『毎日東京かわら版を読む』。

ウチの師匠の家には何十年分の東京かわら版が置いてある。
いつから購読しているのかは分からないが、
見習いの時に、師匠の本棚にズラーっと並ぶ東京かわら版を見て「いいな」と思って、前座になった2019年1月から私も購読を始めたのだ。

しかしながら、一冊読まないでいる内に次の月の東京かわら版が届いて、また次の月のが届いて、あれよあれよという間に2年間読まずに積んでしまった。
どうすんだよ。
情報の鮮度が売りなのに、2年前の中途半端に古い物なんてもう読めない。

『毎日かわら版を読む』と設定した。
30日間で2年分読み切った。

不思議……という言葉で片付けようとしたけど不思議でもなくて、ちゃんと人間の心や脳の働き計算してアプリが作られているんだろうな。

ちなみに、東京かわら版は噺家が読むとまた違った面白さがある。
たとえば、私の【金明竹】は小せん師匠から教わったもので、小せん師匠は市馬師匠から教わったもの。
ここまでは知っていたのだけれど、かわら版を読むと【金明竹】は市馬師匠が初めて覚えた噺だそうで、さん喬師匠から教わったものなのだそう。
こういう自分の噺のルーツが知れると面白い。

さて、次の目標は何にしよう。
こういう習慣系のアプリを利用しまくって、いつの間に名人になれたらいいのに。

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