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【5日目】手ぬぐい

二ツ目になると自分の手拭いを作ることができる。
人によっては「めんどくさー」みたいな、
「さっさと終わらせよう」みたいなものだが、これが楽しみで仕方がなかった。

黒酒の手ぬぐい

『黒酒』という名前に決まった翌日にはもう自分でデザインした
浮かれてたのか?
普段やらない作業にワクワクした。

コンセプトは

  • 自分が使いやすい

  • ゴチャゴチャさせない

名前に酒がつくのでひょうたんを。
そして黒酒と白酒はセットなので白いひょうたんと黒いひょうたんを交互に並べた。
ひょうたんには六つで無病息災という意味がある。
前座期間中コロナの影響をモロに受けたこともあって、コロナが終息することを祈りつつそうした。

右肩上がりで、いつか花が咲くようにということでひょうたんの紐を上へ向けつつ桃の花を。

四角が並んだ市松模様は、以前は『あられ』と呼ばれていたんだそう。
私も以前は『あられ』だったので。

また市松模様は『繁栄』の意味があるそうです。
子孫繁栄、事業拡大などの縁起の良い模様。
私の本名が『繁盛』なので、なんだか縁を感じる。
ちなみに苗字が『黒木』だから『黒酒(くろき)』。

色が白黒なのは縁起が悪い気がして、黒を墨色にした。
墨と噺家は何かと縁がある。

名前は寄席文字の右楽師匠に書いていただいた。
以前に勤めていた職場の同僚が右楽師匠とお友達という不思議な縁で、とても良くしてもらった。

「自分でデザインすると大体評判悪いよ」

ということは聞いていたが、人に任せるとここまでこだわることはできなかったんじゃないかと思っている。
愛着もひとしお。
また、手ぬぐいをたたんだ時に、

ひょうたん柄
花が真ん中に来て水引きみたいになる
市松模様

の3パターンで使えるようにしました。
たたんだ後のデザインも考慮できるのが自身でデザインする利点か。
白酒も「おー、いいんじゃない」と褒めてくれた。
ん? 初めて何かで褒められたんじゃないか?

どうやったら手に入るのか

これを噺家自身で説明するのはすっごい野暮。
調べてみてください。
ちなみに私の手ぬぐいはメルカリなどに出品してもいいし落札してもかまいません。
是非手に入れて使ってください。
11月上席、師匠方や前座の皆んなも使ってくれていて凄く嬉しい。


5/40 鈴本演芸場 中日
【金明竹】
大阪出身だから、という理由で愛着のある噺。
ほとんど稽古しなくてもできるネタなので後半に取っておいてもよかったが、Twitterにも書いた事や、7日の黒酒落語会に集中したいこともあって切りました。
前座の頃は思い付いたくすぐり全部入れてたけど、今日は反応見ながら取捨選択できた気がします。

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