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内製開発チームを始めての苦労

こんにちは。内製開発チームのプロダクトオーナー(以下PO)をしている岩渕です。

私は新卒で東京ガスに入社し、道路上のガス工事の設計や、高圧パイプラインの維持管理などのお仕事をしていました。 その仕事と並行して、業務のIT化やシステム再構築に関わりつつ、趣味でITの勉強をしていたのですが、数年前に今の部署へ異動となり、現在の部署でPOを担当することになりました。

このエントリでは、いわゆる"プロパー社員"のPOが、さまざまなキャリアを持つエンジニアやデザイナーたちと共に仕事をするようになっての苦労についてご紹介したいと思います。

前述のとおり、私は新卒で東京ガスに入社しました。そのため、システム開発の案件を担当することはあったものの、中途のエンジニアやデザイナーと違ってアジャイル開発などに取り組んできたわけではありませんでした。 そんな私ですが、スクラムにおけるPOとしての振る舞いを学び、これまで以下のようなことを取り組んでいます。


1. ビジョンを提示し、バックログ・タスクの優先順位を決める

社内でも非常にユーザーに近いサービスを担当しているということもあり、改善や実装の要望が入ってきます。 まずはそれらのタスクの優先順位を決め、何から対応・実装していくべきかということを決めていきます。何かを決めるということは、責任を伴うものです。これまで担当してきた一業務を担当するのはちょっと違う緊張感を日々感じています。

ちなみに、バックログの管理やタスク可視化では、Linearというサービスを利用しています。 このサービスはとても直感的で使いやすく、NPSを問われたら迷わず10をつける素敵なサービスです。 皆様もバックログの管理などでツール選定に悩まれているようでしたら、ぜひ一度ご検討ください!おすすめです!

2. エンジニアやデザイナーの働きやすい環境を整備する

当社はスクラム開発体制を始めたばかりの状態です。
社内のIT環境は、エンジニアやデザイナーの満足できるものではなく、まずは環境整備から始めました。

2-1.端末調達

まず問題になったのは、開発用端末でした。
社員にはもちろんPCが配布されていますが、開発用としては全くスペックが足りておらず、FigmaやSlack,Teamsなどのツールを立ち上げると動作が重くなったり、Dockerなどもまともに動作しない状況でした。
そのため、エンジニアやデザイナーには希望の端末を購入し、開発にそれらの端末を使える環境を整備しました。

私はWindowsが好きなので「好きな端末を自分で探して教えてね。Windowsとか良いよね。」 と声かけしたのですが、10人中9人がMacBook ProもしくはAirを選択する形になりました(泣)
Windows好きとしては肩身が狭いですが、開発用端末は個人の趣味嗜好に応じて自由に選べるべきと考えていますので、メンバーが好きな端末を使える環境を提供できたことには満足しています。

2-2.ネットワーク整備

次に問題となったのがネットワークです。
現在当社でも在宅勤務で開発を行うことがほとんどのため、自宅から開発できる環境を整備する必要がありました。
しかし、開発用端末を独自で用意したため、社内で用意されている既存ネットワークを利用することができず、独自の開発用ネットワークを構築する必要がありました。
また、社内標準端末と開発用端末の二台持ちとなってしまい、それらを切り替えて作業することはエンジニアの開発者体験 ( Developer eXperience = もう一つのDX) を悪くしてしまうため、それもできれば避けたいと考えていました。

ここは当社のセキュリティが絡むので記事にできないのが残念ですが、結果としてエンジニアが開発用端末のみで業務が行えるよう対応することができ、エンジニアからも感謝の言葉をもらえたのはありがたかったです。

2-3.セキュリティや予算確保など社内ルール遵守のための調整業務

内製開発チームにおいても、従来のシステム開発同様、セキュリティは最重要事項であり、厳しい社内規定を守る必要があります。
ただ、社内に前例のない体制になりますから、これまでの社内ルールをそのまま適用すると、開発者にとって快適な環境を提供するのは難しいこともすぐに分かりました。

そのため、調査→リスク検討→セキュリティ統括部所との協議→承認→サービスインといったサイクルを繰り返しながら環境整備を進めるのですが、1サイクル1ヶ月以上かかるなかなか辛い工程でした。
最終的に端末調達もネットワーク整備も良い開発者体験を提供できる形になりましたが、この段階に至るまで半年以上かかりました。

また、環境整備にあたってはビジネス上の必要性や代替手段検討等、総合的に判断する必要がありますが、エンジニアの時間を極力割かないように、私が調査からサービスインまでまとめて担当しています。ツールや開発の予算確保・精算といった業務も行っています。
これら社内ルールを遵守するための業務を極力引き取り、エンジニアやデザイナーが開発やデザインに集中できるようにすることも重要な役割の一つだと考えています。

さいごに


お客さまに良いプロダクトを届けることはPOとしての責務だと考えていますが、我々のような立ち上がったばかりの組織においては、エンジニアやデザイナーが安心して働ける環境を整備していく役割も必要だと思っています。
そのためには、エンジニアやデザイナーと共通言語で話せることも重要であり、エンジニアの学ぶような内容も日々勉強しています。

最近は以下の本などを読みました。

チームの新人にITの基礎の教育をすることにしたのですが、ネットワーク周りの技術をもっと詳しく知りたかったので購入した本です。OSIの参照モデルがどういう経緯で策定されたのか、から始まり、各種規格や理論を学べる読んでて面白い本でした。

今年スタートしたばかりのスクラムチームですが、これから良いプロダクトを届けられるよう、みんなで頑張っていきます。そして来年も内製開発チームの取り組みを継続して発信していけたらと思っていますので、ご覧いただけたら嬉しいです!次はデザイン関係かも…?それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!