見出し画像

DAZNマネーは何処へ

マリサポはDAZNに入らなくてはならない。
2017年シーズンからスタートしたDAZNマネー(理念強化配分金)を1番多くゲットしたのは、調べるまでもなく連覇した川崎でしょう。ではマリノスやその他のチームにはどのくらい分配されたのだろう。
(均等に全チームに配分されるものは除いて)

J1順位と配分

・1位から4位までに配分される
・実際に使えるのは翌シーズン
・現ナマが振り込まれるのではなく、都度利用を申請して使う

画像1


チーム単位に集計

画像2

やはり総額では川崎が多いのだけど、マリノスも十分恩恵を受けている。対象の3シーズン(2017-2019)中で1回優勝しているから当然か。かなり多く取りっぱぐれた気がしていたけど、そうでもなかった。
一方で鹿島が着実に毎シーズンゲットしているのは流石。鹿島はこれに加えてACLとCWCでも稼いでいた。

ただ、ここでポイントとなるのは昨シーズン(2019年)に制度が変わり、3年間の均等配分に変わったこと。マリノスにとっては、これがかなり有益なことに見える。来シーズン(2021年)以降に配分される金額で比較するとマリノスが最多なのである。(表の右端カッコ内)

川崎は総額は多いものの既に使ってしまっていて、これからもらえる金額は少ない。コロナ対応で2020年シーズンから配分が停止されたため、あれだけ異次元の強さで優勝してもゼロ円。(もともとのJリーグの賞金はありますが)

DAZNマネーの配分は2021シーズンも停止が決まっているから、マリノスとしては2022年のACLや2021年のCWC(地元枠)の賞金がほしいところ。


川崎のお金の使い道

過去3年間で31.3億(の権利)をゲットした川崎は、実際には既存選手の年俸アップや自治体への寄付に使ったと思われる。スタジアムの改修にも使ったのかな(←未確認です)。実力のあるレアンドロダミアンなんかも加入したけど一般的には地味な感じは否めない。派手な外国人選手の加入はなく、これはDAZNにとっては何の得にもならなかったのではないか。ある関係者の方も”DAZNは激おこであった”と仰っていた。

2019年にはチェルシーを来日させてプレシーズンマッチを開催。マリノスが同時期にマンチェスターシティと対戦していたので、当時はあまり気にしていなかったけど、あれはDAZNマネーを使っていたのではないか。(これは単なる邪推です)”Jリーグワールドチャレンジ”と称して、JリーグやDAZNも全面的にバックアップしていた。

とはいえ、これは川崎の使い方だけの問題ではなく、制度の問題でもあったと思われる。優勝すると10億円もらえる!というのはニュースとしては目を引いた。しかし選手の移籍市場は、優勝が確定したあとのタイミングではいくら資金があっても簡単に契約できるものではない。しかも使う側からすると、翌年以降に確実に継続して確保できる資金でない以上、下手な投資はできない。最悪、翌年以降にいきなり資金不足になってしまう危険すらあるからだ。

DAZNマネーにより強いチームと弱いチームの格差が広がると言われていた。実際に川崎は今シーズンぶっちぎりの強さを見せた。それでも彼らの堅実経営の方針のおかげで、今のところ格差は追いつける範囲に止まっているのではないか。仮に鹿島や浦和が優勝していたらもっと大きな差ができていたかもしれない。


DAZNマネーと理念強化配分金

DAZNの目論見が大きな賞金を出すことでJリーグを活性化し、コンテンツの魅力を膨らませることでリターンを得たいというシナリオであるなら、当然この賞金で世界的な有名選手を獲得してほしかったのだと思う。しかし、Jリーグが「理念強化配分金」という名称と利用条件をつけたことで大きなギャップが生まれた。ただ、たまたま神戸がこの流れとは無関係なところでポドルスキーやイニエスタ、ビジャを連れてきたから問題が霞んだのかもしれない。

2019シーズンから3年均等配分に修正されたのは、「DAZNマネー」と「理念強化配分金」の目的のズレを修正するためではないかと思う。その恩恵を受けたのがマリノスであったのはとてもラッキーなことだ。結果的に2020シーズンから配分が停止されたことを考えると、ここしかないタイミングでの優勝だった。川崎がマリノスのために犠牲になってくれた!?と勝手に優越感に浸ってしまう。

とは言え、マリノスのお金の使い方もだいぶ堅実ではある。DAZNに恩返しするには、CFG譲りの攻撃サッカーで世界にアピールして、目の肥えた世界のサッカーファンに見てもらわなくてはならない。DAZNマネーの威力を見せつけるのはこれからだ。

ウィズコロナの世界では、ワークフロムホームなど様々な面でのオンライン化がこれまでにないスピードで進展し、一方でスタジアムは無観客になったり観客数の制限が設けられた。本来このような環境であれば、DAZNのビジネスは躍進してもおかしくないはず。なのに調子が悪そうなのは何故なのだろう。。。
これまでの大きな投資が自転車操業になっていて、一時的に世界のスポーツに中断期間が発生したことに耐えられなかったのか。或いはアマゾンプライムなどの巨大コンテンツに負けたのか。

いずれにしても、DAZNにはしっかり生き残ってもらって、マリノスにお金を配分し続けてもらわなくてはならない。だからマリサポはDAZNに加入しなくてはならない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?