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【イベントレポート】EDUCATION×CAREER TALK 学校だけに任せない!生まれによる教育格差の解決~行政、企業、NPOや私たちにできることは何か?~

こんにちは!12月1日に「学校だけに任せない!生まれによる教育格差の解決~行政、企業、NPOや私たちにできることは何か?~」というイベントを実施しました。イベントレポートを書かせていただく筑波大学大学院の岸本洸生、筑波大学の村上達哉、村上智哉です。オンラインでの実施となりましたが、20名以上の方々に参加いただきました。

(目次)
1.イベント開催の背景
2.イベント概要
3.当日の様子
4.イベントを通して伝えたかったこと
5.参加者からの声
6.イベントを実施しての振り返り
7.Teach For Japanについて


1. イベント開催の背景

 教育内容の高度化、業務の増加、問題の複雑化など学校現場に求められるものが肥大化し、教師が疲弊しているという現状があります。私たちはその問題に対して危機感を持ち、解決の糸口を学校外部に求め、学校と外部機関の連携というテーマにしました。学校との連携に焦点を当てた理由は、教師を目指す学生に対して外部との連携という新たな視点をもたらすためであり、それが教師の負担を減らすことにもつながると考えたからです。また、「子どもたちの教育を支えるのは学校だけでははない」ということを伝えるためにも本イベントを企画しました。


2. イベント概要

 今回のイベントでは、Teach For Japanのフェローを経験された磯依里子さんをゲストとしてお招きしました。磯さんには教壇に立たれていた時に体感した教育格差や現在のNPO法人じぶん未来クラブでの活動についてお話しいただきました。講演の後は「教育格差」に着目して特にNPO法人の取り組みについて参加者の方々に考えてもらい、「教育格差」と「外部連携」についての学びを深めていただきました。


3. 当日の様子

① 教育格差についてのプレゼンテーション
 はじめに、今回のテーマである「教育格差」についての定義と現状の共有を行いました。日本は教育の公的支出が国内総生産(GDP)に占める割合が低く、先進国の中では教育への家庭の自己負担額が大きいということや教育格差への社会全体での意図的な取り組みが大切だということを共有しました。教育格差の背景や現状を確認したことで、この後にある磯さんのスピーチやワークの理解がスムーズになったと思います!

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② 登壇者のスピーチ
 ゲストの磯さんに、実際に学校現場に赴任されたときや学校現場の外から感じた教育格差、それらを踏まえて現在行われていることについてお話頂きました。実際に小学校でどのような問題があったのか、それに対してどのように取り組んでいったのかなど、普段なかなか聞くことのできない貴重なお話をしていただきました。参加者の方々にはチャット欄で質問等たくさんしていただき、盛り上がったスピーチとなりました。

③ 実際に考えてみよう
 磯さんにお話いただいた後に、その話を踏まえ「もしあなたがNPOの代表なら?」というテーマで、参加者同士の交流の下、問題解決のための事業案を作成してもらいました。参加者の皆さんが活発に議論してくださり時間が足りなくなるほどでした。また、どのグループもオリジナリティのある事業案を作成されていて、運営の私たちにとっても学びのあるワークになりました。参加者の方々が自分のこととして日本の教育格差について真剣に考える機会をつくることができ、運営側も非常にうれしかったです。


4. イベントを通して伝えたかったこと

企業側が直接学校と関わろうとしても、学校側が連携をすることに不安や抵抗感があることもしばしば。事実、小・中学校では企業側がマーケティングの目的で学校現場に入ることはできないことになっています。一方、NPOは子ども達に直接支援がしやすいものの、資金・運営面に弱さがあります。企業だけが学校に直接関わることやNPO独自で運行することは困難で、様々なところに潜む格差を解決するためには学校と企業・NPO・行政の連携が大切です。
 決して子どもの成長を支えていく立場は教師だけではありません。「教師以外にも様々な形で教育に関わっていくことができる」ということを念頭にキャリア形成をしていくことが重要です!

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5. 参加者からの声

参加されていた方からも様々な感想をいただきました。
  

「教育格差の現状を知ることが出来ました。また、それに応じたワークも出来て学びを深めることが出来ました。子どもの学びを支える場所は学校だけではない、様々な連携により教育に携わることができるという視野が広がりました。ありがとうございました!!」


「実際に学校生活を送る中で閉ざされた学校ということを強く感じていたので、今回の公演に参加したことで、学校・企業・行政、そしてNPOを巻き込んで教育格差の問題に取り組むことの重要性や課題というものをしることができました。」


「日本の子どもたちは身体的な健康がトップクラスなのに対し、精神的な幸福度はほぼワーストであるという事が自殺率の高さと関連しているのかなと思いました。」

「周囲の大人がどう支援する方法があるのか、私は企業に所属する社会人だが子どもの支援を行えるような仕事をどう学校側と連携できるのか、その実例に触れることができました。」


6. イベントを実施しての振り返り

岸本 
 本イベントを通して、磯さんの実体験に基づいたお話やイベント内容の土台となった文献に触れたことで、日本に潜む教育格差の背景や実態について学ぶ機会となりました。教師を目指す自分自身にとって、教育格差に対する問題意識は持っておく必要があると感じます。この思いを自分の中だけにとどめることなく、今後も周囲に発信し、実践をし続ける大人になっていきます!


村上達哉
 イベントを通して、教育の可能性を再確認することができました。参加者の方々には教育格差に対するアプローチについて活発な議論をしていただきました。教育の課題を自分事として捉え、考える参加者の方々の姿に感銘を受けました。学校現場と共に様々な機関、人々が協働して日本の教育をよりよくすることの意義を強く感じました。
 イベントでは、磯さんが講演の中で引用されていたWendy Koppさん(Teach For America創始者)の言葉が印象的でした。
One day, all children…can fulfill their FULL potential.
いつの日か、すべての子どもたちが自分の可能性を最大限に発揮できるように、自分自身も考え続け、アクションを起こしていきたいと思いました。


村上智哉
 本イベントのターゲットは「将来教育に携わりたい人、教師になろうか迷っている人」であり、それは自分にも当てはまっていました。そのため、企画の作成をするときは、このイベントで「何を得られるのか、進路の迷いを解消するためには何を題材にするべきか」ということを常に自問自答していました。「迷い、決断、行動」ではなく、迷いながら行動することで、自分の視野が広がり、今はイベント前とはまた違ったことを考えています。迷いなき決断がないことを念頭に置き、これからはとにかく「行動」をしていきたいです。

7.Teach For Japanについて

 Teach For Japanでは他にも様々なイベントを開催しています。HPやFacebookなどでもイベント情報を発信していますので、そちらもぜひチェックしてみて下さい。
 また、様々な地域からTFJを介して集結したCAたちが開催する『EDUCATION×CAREER TALK』をテーマとしたイベントは今後も開催予定です!特に今期はオンライン開催ということで、気軽に参加しやすいのではないでしょうか。


皆さんのご参加を心よりお待ちしております!

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