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薬学生と一緒に見るアンサング・シンデレラ⑦


みなさん、お久しぶりです!
最近忙しくてnoteを更新できていませんでした、、、
いつの間にかドラマも8話まで進んでいて、もう終わるじゃん!って感じですね。

今回は先週の第7話のテオフィリン中毒について解説してきたいと思います。
見ている側からしたら、不自然なくらい「喫煙」を強調していたので今回は予想的中って感じでしたね(笑)
キーワードは、「代謝」です!

それでは、解説していきましょう!


テオフィリン中毒について解説していく前に、薬における"代謝"について説明していきたいと思います。

薬は体内に入り役割を果たした後、体内から出ていかなければなりません(排泄)。
その出ていくための準備のことを代謝と呼んでいます。

(薬の体内での一生についてはコチラ↓)


代謝は主に肝臓で行われていて、肝臓に存在する特定の酵素が薬を排泄しやすい形に変化させるんですね。
これは同時に、薬の薬効が失われることを意味します。

その代謝を行う酵素にはいくつか種類があり、そのうちの一つにシトクロムP450(P450)というものがあります。
また、P450にもさらに種類があります。CYP3A4、CYP2C19、CYP1A2などがあり、それぞれ代謝する薬物が決まっています。

さあ、いよいよテオフィリン中毒について説明していきます!
テオフィリン中毒とは、血中のテオフィリン濃度が上昇しすぎて体に害な効果が出てしまっている状態のことを指します。
ではいったい、どうして血中のテオフィリン濃度が上昇しすぎてしまったのでしょうか。

テオフィリンは、肝臓でCYP1A2によって代謝される薬物です。
つまり、血中のテオフィリンはCYP1A2により代謝されるので血中のテオフィリン濃度が減少するのが普通です。

また、ドラマ中で古賀議員は禁煙を急に始めていました。それ自体はいいことなのですが結果的にこれが原因とされていましたね。
実は、喫煙はCYP1A2誘導すると言われています。つまり、喫煙することでCYP1A2の量が増えるんですね。

CYP1A2の量が増えると、テオフィリンがたくさん代謝されてしまうので、薬効が減弱します。そのため、医者は喫煙することを前提にテオフィリンを通常よりも多く処方していたんですね。

ところが、古賀議員が突然、禁煙を始めたのでCYP1A2の誘導も終わり、通常の量に戻りました。しかし、テオフィリンの服用量だけは依然として多いままだったので血中テオフィリン濃度が上昇しすぎたということになります。


また、コーヒーに含まれているカフェインもCYP1A2を誘導する物質です。他にも飲酒やグレープフルーツなど、意外と身の回りに代謝酵素に影響を及ぼすものはたくさんあるんですね。やはり心配なら薬剤師に聞くのが一番だと思います。


以上で今回の記事は終わりです!
今週分は特に解説することもないので、次回は第9話の解説になります。

瀬野さんが心配ですね、、、かなり重い回になりそうです、、、


では、ggy


僕の研究を応援して頂ければ幸いです!