学振DC1体験記②~"受かる"申請書を分析しノウハウを学ぶ~
前回の記事はコチラ(マガジンでもまとめてあります!)
こんにちは、本記事は第2弾になります。
前回の記事で、学振の準備としてまず最初に行ったのが採用された申請書集めおよびその分析、学振について書かれているサイトの収集でしたので、今回はその話をしようかなと思います。
☆通った申請書を集める
当たり前ですが、一番のお手本は過去のDCに通った申請書です。DC1でも2でも構いません、とにかく使えるツテは全て使って集めましょう。参考にするものは多いに越したことはありません。
そして大事なのは通った申請書を集めることです。残念ながら通らなかった申請書を参考にすることは悪いことではありませんが、通った申請書をたくさん見て"受かる申請書"の雰囲気を掴みましょう(DCとは思えない曖昧な表現、)。
集める方法は主に3通りかと思います。
①大学内のどなたか
②学会等で知り合った学外の方
③ネット
①については、ラボ内に先輩がいれば一番手っ取り早いですよね。DCはいなくても最近だとフェローシップ等で申請書を書くケースが増えていると思いますので、学振ではありませんがそのような申請書も参考にできます。
他のラボにもDCの方がいればお願いするといいでしょう。僕は同期に仲介してもらいDC1だったOGの方と取り合うことができました、地方国立で現役DCがほぼいないので、、、
あとはDC経験のある先生も考えられます。またうちの大学では研究協力課に過去のDCの申請書が保存されていました。貸し出しはしておらず閲覧のみでしたが、参考にすることが出来ます。
②については、人によっては学会に出れる出られないがあるので難しい場合もありますが、僕の場合は主戦力でした。学会や出張で知り合ったDCの先輩方にお願いして申請書を頂きました。特に自分の研究分野と似たような申請書を参考にできるほどいいことはないので、できるなら学会はたくさん参加しておくべきです。
③については、申請書を公開しているサイトがいくつかあります(この記事を読んでいるみなさんはもちろん知っているでしょうけど)。以下にまとめておきます。
しかし残念ながら、我々医歯薬系の申請書はconfidentialに扱うのがほとんどだと思うので、公開されているものは文系や理工系がほとんどです。大変参考になるかと言われるとグレーな部分があります。
僕は、自分と同分野でSNSで学振経験を謳っている方々にコンタクトしてみました。後悔したくなかったので、行動あるのみでした。実際その方は協力して頂けました、本当にありがとうございました。
そうして僕はトータル18本の申請書を集めることができました。十分すぎるくらいです。
僕は12月ごろから集め始めました。心の余裕があるうちに集めておくといいでしょう(コンタクトに時間がかかる場合もあるので)。
☆申請書のノウハウを学ぶ
申請書と並行してノウハウも勉強しました。
王道は大上さんですよね。自身のサイトでもまとめてありますし、本も出しているのでどっちでもいいかなと思います。本の方は3人分申請書のサンプルが載っていますので、購入しても損はないかなと思います。
また、様々な学生・先生方がノウハウをまとめていますね。
僕が参考にしたモノを以下にまとめておきます。
本当はもっと参考にしていたんですけど、だいぶ消えていました、、、
常に検索してアンテナを張っておくのも大事なのかもしれません…(笑)
まあどの申請書でも似たり寄ったりのことを仰っているので、どのような申請書を書くにしろ大事なことは変わらないことが分かるかと思います。
ただ、ここで注意しなければならない点があります。これらのサイトはもちろんライバルも当然のように参考にしているはずです。何が言いたいのかと言うと、これらを参考にしすぎるとライバルの申請書と似たり寄ったりの、没個性な申請書が爆誕してしまうということです。特に大上さんのは申請者全員が目にしていると言っても過言ではないと思います。これでは綺麗な申請書を書くことが出来ても面白い申請書にはならないかもしれません。
☆申請書を分析する
だから、自分で申請書を分析するのです。自分で集めた申請書を自分なりに分析し、仕上げることで申請書に個性を生み出すのです。
この申請書はどのような部分に大きなアピールポイントを置いているのか、そしてそれを強調するためどのような構成にしているのか、どのような意図でそのレイアウトにしているのか、たくさん分析してパターン別に分類しました。
例えば、昔の仕様では自己評価のところで「研究職を志望する動機」欄がありました。一番多かったパターンは子供の頃の体験がきっかけパターンでした。他にも研究者という職自体に憧れていたパターンやその研究分野が好きなパターン、研究背景に使命感を覚えたパターンがありましたが少なかったです。
その理由は割と単純明快だと思っていて、子供の頃の体験は唯一無二の個性で読んでいて面白いからです。例えば研究分野が好きなんてのはみんなが思っている当たり前なことで、他の申請書と差がつかないので印象に残りにくいですよね。
今年度の仕様では、「目指す研究者像」の欄がありましたので、僕は自分の実体験が由来でこのような研究者像を目指すことにした的な流れで記載しました。
また、かっこいい表現、語句などを真似するのもいいでしょう。
といった感じで、申請書を分析し、自分のモノに外挿するという作業を行っていました。もちろん、外挿しすぎて申請書の一貫性が失われては本末転倒なので、バランスをみながらですが。
ちなみにかの有名な落合陽一さんの申請書(科研費.comより)を一度見てみるといいでしょう。圧倒的に参考になりませんので(笑)
以上、申請書を収集・分析してみよう!の回でした。次回は自己分析してみよう!の回になるかと思います。それではまた!
次回の記事↓↓
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