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社会人のmust → can → want

今日は私が就職エージェントをしていたときも含め、就活中の学生から相談されることランキングTOP3に入るくらい多い「やりたいことをすぐやれる会社の探し方」についてお話ししようと思います。


なぜこの話をしようと思ったのか。
ちょうど先日、クライアント先の元アルバイトスタッフ(現大学3回生)の子からLINEが届きました。

この子は就活が本格化するという理由で先月辞めたばかり。
気が合う子だったので元々LINEは取り合う仲でしたが、仕事中に突然こんな内容のLINEが届きました。


「就活難航してます。私は自分のアイディアを形にするのが好きなので、商品企画やプランナーを希望していますが、なかなか見つかりません。どうやって探せばいいでしょうか?」


これ、 ほーーーーーーーんとに多いです。


偏ってるかもしれませんが、私が出会った学生の中でも特に女子学生に多かったです。(ジェンダーレスな時代にする話ではありませんが、女子学生の方が比較的やりたいこと(またはやりたくないこと)が明確なような気がします。)


さて、この質問に対して私は毎回、

「新卒でそんな職種に就けるかい!」


と答えています。


あ、語弊が生まれないように注釈。
もちろん、学生時代にそういった活動(例えば自分で商品企画などをして実際に製品化した、など)の実績がある場合は除きますよ。この場合の「新卒」は全くの未経験の方を指します。



。。。


少し視点を変えて考えてみれば分かりやすいと思いますが、自分のアルバイト先(例えば飲食店と仮定して)に面接に来た学生が、「献立を考えることが好きなのでメニュー開発したいです。料理や洗い物はやったことありません!」と言ってるのと一緒です。(何言ってんだこいつって思いません?)

基礎を知らない(この場合自社の客層やニーズなど)まま企画や開発だなんて、経験者でもない限り容易にはできないですよね。

アルバイト先でも部活動でもそう、なんでも基礎があっての応用であることは、働き方改革がどれだけ進もうと変わらない真理であると思います。



■ MUST → CAN → WANT


この言葉、よく新入社員研修なんかで題材に扱われることが多いですが、まず初めから好きなことややりたいことができる職場なんてまぁないです。

めちゃくちゃ大手企業であろうと(いや、大手であればあるほどかもしれません)、ベンチャー企業であろうと、まずやらなければならないことからスタートします。

残念ながら日本という国は下っ端になんでも押し付けたり、無意味な作業をひたすらさせる習性があったりすることも事実ですので、この場合のMUSTとは、自分がやりたいことを実現するために必要な仕事を意味します。

(余談ですが、私はアパレルに入社した時一番後輩が一人でゴミ捨てをするという謎ルールが存在し、先輩たちが作業も終わって談笑しているのを横目に膨大な量のゴミ捨てをヒィヒィ言いながら1年も一人でしていました。そなので私はこの「一番後輩に押し付けるシステム」が大嫌いです!)


「営業は嫌だ」という人は多いですが、営業とは一番お客様のお声がダイレクトにいただけるポジション。また、一番商品を理解しているポジションでもあります。

元々私も「営業なんて絶対に嫌だ」と思っていましたが、実際に営業職から得れた経験は他には変えがたい貴重な経験だったと思います。



MUSTを続けていけば、気づけばCANが増えていきます。

例えば、営業先に行くためにロープレを続けていけば、営業トークが自然とできるようになり一人で営業先に向かうこともできるようになります。
こう書くと当たり前のことですが、このMUSTからCANになっていく実感が湧かなければ、「なぜ私はこんなことばかりしているんだろう…」という気持ちになってしまうことも少なくありません。


例えば企画職に就きたくて入社したのにまずは現場を知ることと営業に配属。
営業部ではお客様先に行っていろいろ話ができるのかと思いきや、毎日やっていることはテレアポでの新規開拓ばかり。
ガチャ切りや罵詈雑言を浴びせられ、次第に「なんで私はこの会社に入ったのだろう…」なんて気持ちになってしまう、これでは精神をすり減らしてしまうだけです。(何を隠そうこの事例は私の体験談です。えへへ)

しかし、営業に行くためにはアポイントが必要で、アポイントをとるためにはテレアポでのセールストーク術が必要です。更には電話のマナーであったり、声の出し方、ロールプレイング、などなど「営業に行くまでに必要なこと」ですら数え切れないほどあります。

これらひとつひとつができるようになって、初めて自分のしたい「WANT」の仕事につく事ができると思うのです。
こうしてみるとかなり遠回りのような気もしますが、結局現場でした泥臭い経験や生のお客様の温度感というものが一番企画や開発に生きてくる近道だったりするです。

これはどんなに素晴らしい学歴や、資格などでは補えない、自分が経験したからこそ得れる宝物のようなものだと思います。


ここまで読んだ方で、「結局好きな事のためには嫌な事を我慢しろって事?」と思った方もいるかもしれません。
まぁ物は言いようと言われてしまうとそれまでですが、「好きなことのプロになるために経験値をつむ」と考えてみてはどうでしょうか?

先にも書きましたが、MUSTとは決して「嫌々でもやらなければならないこと」ではありません。どうしても仕事内容が嫌でしょうがないのであれば、その仕事はそもそもあなたにあっていなかっただけ。他の道を探せばいいだけです。


そうではなく、


自分が「目指している仕事に必要な経験をつむ」と考えるだけで、自分の今している仕事への取り組み方も変わってくるのではないでしょうか。



学生の皆さんはこの記事を見て、「なーんだやりたいこと結局できないのかよ」と思うのではなく、「そこまでして本当に自分がやりたいことなのか?」ということを考えてみるといいかもしれません。

1本目のブログでも書きましたが、経験は力です。逆を返せば、未経験は無力ですし、無知です。
現在の自分の経験値の中で「やりたいこと」を決めてしまうのではなく、いろんなことに触れることで自分の中の可能性も広がり、「やりたいこと」の精度も上がっていきますよ。

もし、「やりたいことをやれる会社がない」と思っている学生の方(社会人の方も)は、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。



1月27日
「学生時代何となくの憧れでスタイリストを目指したものの、MUSTでつまづいてやりたい事が分からなくて途方にくれた経験がある」先輩より



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