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楽天 三木谷社長のテレビ出演で垣間見えた“父親”と“GAFA”の存在

楽天の三木谷浩史社長は2月25日、NHKの人気番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演しました。

三木谷社長がニューヨークで移動中に、多くの日本車を見かけて「日本の自動車業界は頑張っている。しかし、これからハードウエアは厳しくなる。さまざまなものがサービスになる。このままでは日本はGAFAのような巨大プラットフォームに支配されてしまう」とつぶやいた言葉が印象的でした。

楽天も「楽天経済圏」と評するサービスネットワークを駆使して、ビジネスを拡大しているプラットフォーマー。グローバル展開を進める楽天にとって、海外の巨大プラットフォーマーの存在が気になるのは当然です。

先日の決算説明会でも三木谷社長は、「日本発のマーケットプレイスがアマゾンのような非常に大きな資本と対抗していくためにも(送料込み施策を)やらなければならない」と言っていました。

父がくれた4つの言葉

番組では三木谷社長と父親との関係も紹介していました。三木谷社長がTBSを買収に動いた際に、父親から「大義明分」「品性高潔」「用意周到」「信念不抜」という四つの言葉をもらったといいます。

三木谷社長はこの言葉を楽天グループのブランドコンセプトに採用しています。ただ、ブランドコンセプトには、この四語以外に「一致団結」という言葉もある。これは三木谷社長が自ら追加したと考えられます。

楽天は昨年から新しいキャッチフレーズとしての「WALK TOGETHER(ウォークトゥギャザー)」を採用しています。この言葉は「一致団結」とも通ずるものであり、変革者であるからこそ、社内や取引先との関係を強固にすることで、推進力を高めようとする狙いがあるように感じます。

ただ、三木谷社長は番組内で、「変革者は嫌われても仕方がない。それでも前に進む」と話していました。「一致団結」は望むものの、「完全一致」は目指さない姿勢をうかがうことができました。

三木谷社長はほとんど休みを取らず、世界中を飛び回っています。その推進力の背景には、父親の言葉とGAFAの存在があるのだと感じました。

EC業界向け専門紙「日本ネット経済新聞」で記者してます。EC、通販、モノづくり、流通、マーケティングなど取材していく中で紙面には書かない自分の考えや疑問について書いていきたいと思います