バターのような曲線を得ることになります

家は完成しました。この家には高校3年生、18歳まで住むことになります。

大きな一本柱とニスの匂いが特徴的な2階建てのログハウスです。住宅地の端、崖側に位置しているため、簀の子状のテラスの先からはダムが望めます。ここでは、いろいろな声が聞こえます。朝は小さな鳥のさえずり、日暮れ時は鈴虫とコオロギ、夜はホーホーと猛禽類のような声。喧嘩でしょうか、発情でしょうか、猫の声がどうしても赤ちゃんの泣き声に聞こえて怖かったのを覚えています。

この家を覗いてみましょう。父、母、弟、犬、私という家族構成になっています。中に入ると、目に映るものはだいたい木です。1階にはリビング、キッチン、お風呂、テラス、勝手口を出ると犬小屋があり、その先に小さな菜園があります。2階には押入れ、テラス、三角屋根の子供部屋があり、弟と部屋を半分にして暮らしていました。2階への階段は一本の長い木が手すりになっており、消防士のようにするりと滑って1階へ下りることが好きでした。何千回と滑ったせいか、手すりは独特の輝きとバターのような曲線を得ることになります。

私は名前入りの大きな勉強机に向かい、宿題はせず、よく遊び、絵を描くことが好きでした。愛車は黄色のマウンテンバイクでした。


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