年末年始の百文字日記(3)
年末の慌ただしさと、年始のお目出度さを感じられるような日記が読みたくてはじめました。みなさまからの百文字日記を募集しています。何日でも送っていただけます。お待ちしています。
年末年始の百文字日記は、中の人の朗読を聴きながら読むこともできます。
それではどうぞ。
2020.12.20 Sun.
毎日笑って正気で生きることが特別なことに成り下がっている。不安がなくて逆に不安をやりすぎる。ご時世関係なくどこにも光はなく、ネットに居場所はなく、でも自分が光っているからとりあえずそれは自分だ。
シュトーレンをかわいいと思うのは、やはりおくるみにくるまれたキリストを意識の裏側に知っているからなのか。それとも、それを知らなくても、素のままの君でも、かわいいと思えていただろうか。素シュトーレンを。
毎年この時期は、家にアドベントカレンダーを置いている。一番早く起きた人が開けるルール。もうだいぶ開いてきた。開いた箇所が増えるにしたがって、クリスマスが近づく高揚感よりも、年末が迫ることへの焦燥感が。
2020.12.21 Mon.
洗面所のヒーターの前で身動きがとれない。私は向井という名字で怒りっぽく、この前もぷりぷりと怒っていると隣の後輩に「緊急向井宣言ですね」と言われた。笑った。洗面所にこもる自分と、あの頃が自粛が重なった。
「美しい」という言葉を使うとき、それは「美しい」としか言いようのないように、「好き」という気持ちは「好き」としか言いようがない、という事実は、わたしをうっとりさせ、喜ばせ、奮い立たせ、苛立たせもする
2020.12.24 Thu.
サンタクロースを副業にするサラリーマンはたくさんいて、自分もその一人で、愛する人のためにプレゼントを選ぶことは、ただサンタからプレゼントをもらうよりも楽しく、そして幸せなことなのかもしれないと知った。
早起きして出社前に郵便局へ。品名欄に「クリスマスプレゼント」と書いて、備考欄に「禁制品なしとの申し出あり」と書いてもらって、中身は少し秘密にしてもらう。ビン、こわれものを丸で囲んだから少しバレるね。
クリスマスのころ街を歩いていると、人のつがいがやたらと目について気に障るというのをよく聞くけど、感情の出どころがわからない。いまの自分と関わりのない他人たちがきらきらしている街はこんなにかわいいのに。
サンタさんは来なかった。イヴはそんなことを悲しむ日ではない。子どもの頃家族でケーキ食べたとかプレゼント貰って次の日遊びまくったとかそんな懐かしさを思い出すことができる日。それだけでもう充分。
彼氏と初めて過ごすクリスマスイヴに、彼氏サンタがサプライズでくれたプレゼントは、クリスマスらしくウィムジーソックスと、映画好きのわたしにはあこがれのプロジェクターで、彼氏はプレゼントのセンスが抜群だ!
サンタの噂を知ったことと、クリスマスに消しゴムがほしいと願ったことは直接関係ないのに、未だに呆れられるけど、遠慮とか、価値判断にまつわるいっぱしの考えとかは全然なくて、普通におまじない用にリクエスト。
2020.12.25 Fri.
プレゼントが届いた。大きな箱に入った、素敵なお菓子の詰め合わせ。やさしいサンタさんは、いろんなお店を回ってくれたみたい。もしも近所に住んでたら、サンタさんの家に持って行って、自慢して一緒に食べたのに。
12月24日と25日どっちがクリスマスやと思う?と彼氏が言ってきたので、24日、とだけ言ったが、そんなことどうでもいいわ!と内心で思いながらたこ焼き屋さんに向かう空腹のわたしは不機嫌でいつもよりも早足
2020.12.26 Sat.
ベランダの、よく乾いて冷えた下着をひとつもぎって履く。午前三時すぎ。ゆうべは洗濯機から服を出したままねむって、やたらよい寝覚めのなかあわてて干した。帰宅してすぐねむっていたようで、目が覚めて入浴した。
お互いの一年をねぎらうためにひっそりと会う友人との会話は8割が下ネタに。なかなか会えずに、笑い合えなかったこの一年の馬鹿笑いを、8割の下ネタに込める。表情筋の筋肉痛に幸せを感じる師走。
ネットプリントもぜひ。2021.01.09までできますよ。セブンイレブンの方がおすすめ。印刷品質がいいから。ファミマとローソンは、だいたい1ヶ月先までプリント可能。
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