見出し画像

年末年始の百文字日記(2)

年末の慌ただしさと、年始のお目出度さを感じられるような日記が読みたくてはじめました。みなさまからの百文字日記を募集しています。何日でも送っていただけます。お待ちしています。こちらからどうぞ↓


年末年始の百文字日記は、中の人の朗読を聴きながら読むこともできます。

それではどうぞ。

2020.12.01 Tue. - 2020.12.18 Fri.

2020.12.01 Tue.

初対面デート甘い夜を共にして、家に帰り思う「ビビっとも感じない!」気づけばメリットデメリット、人をデータ化して判断している。なぜ僕は感情で動けなくなっているのだろう。なぜを頭に今日も機械に指を向ける。

2020.12.07 Mon.

盗まれた眠りを取り戻しに泥棒のアジトに殴り込む勇気なし。鬼滅の刃の手遊びを一夜漬けで習得する母の手拍子を掠め、リズムに合わせて自律神経を整えてせこい。二倍速で夜を駆るユーチューブそして軽トラ珍走団。

今年初めてのセリフ。年末が近づくにつれて、その年において初めてであることを、むしろ強く意識するようになる。あともう三回は会うつもりで、今年最後に言うだろう、と信じて疑わなかった人に言う。「よいお年を」

2020.12.09 Wed.

人生を演じるのではなくひたすら歩き回ることを選んだ人は流れる水の中に、ご時世とかじゃなくて単に家にずっといる私はとどまる水の中にいると言えなくもないが、結局私たちは動物で言うとざっくり魚類だ。

2020.12.10 Thu.

ツイッターって、ガラクタ市なんだと思う。普通の人が見たらゴミの山。でも、見る人が見れば、キラキラ光るお宝がある。ここへ来てよかった、と心から思わせてくれるような宝石がある。そんな場所なのだと思う。

イヤホン慣らし運転でボーボボ全部見た夜、案の定悪夢。でも夢の内容は完全にボーボボの続きだったから怖くなくて、所詮私の想像力はその程度で、私を傷つけることはできなくて、ざまあみろと笑うと気分はもう爽快。

2020.12.12 Sat.

大好きなのはうんこと悪夢と替え歌を絶唱したとて私は汚れることを恐れる人間になりたくない。あと汚れを恐れない決意を高潔だと持ち上げる人間にもなりたくない。ださいから。うんこと悪夢は内省だ。ださくはない。

2020.12.13 Sun.

ランチパックの耳を食べれるようになったのは、いつだったんだろう。ランチパックの耳って、全然中身が届いてなくて、子供の頃は苦手だったんだけど、口も大きくなって、いつの間にか気にせずに食べるようになっていた。

2020.12.15 Tue.

無職なのにスマートウォッチを着けて時間と健康に囚われて生活するのは矛盾しており、たかが三◯◯キロカロリー消費した程度でヨイショしてきて嫌味であり、そもそもそれは私が決めた目標ではない。でもカッコいい!

大学生くらいの男の子ふたりが前から歩いてくる。すれ違いざまに、ふたりの会話が聞こえてきた。「しかもあの先生、顔怖いし絶対厳しいやん」と言っていて、それはとても良い決めつけだ、と思った。

2020.12.16 Wed.

深みとは無縁の存在であることをコンプレックスとしていた時期があったけど、今では薄い表面を積み重ねるような仕方でやっていこう(やっていくしかない)と思っていることを、雪が積もっているのを見ると思い出す。

私は人と寝るのが苦手な節がある。相手の事を気にしてしまい、相手が寝付くまで気になって寝られないのだ。しかし人の事をそうして気にしている自分に「思いやりのある人間なんだなぁ」とも感じ、結局深い眠りにつく。

2020.12.17 Thu.

一年四か月ぶりの友人たち。相変わらず居心地が良く、笑いすぎて前歯が乾く。今日得た知見は、最近肌がやたらと化粧水を吸うようになったのは僕だけじゃないってこと。二十二歳で肌質が一度ガラッと変わるんだって。

積もり汚れることもできるのは街の雪だけで、ここでは降るなり犬のおしっこでとけてしまうから美しいも汚いもない。ただ、優しい生き物のあたたかさに触れた瞬間が確かにあったとわかる人生結構気が利いている。

2020.12.18 Fri.

去年よりずっと寒さが身に染みる。大学の頃好きだった男は冬が好きだったから自分も冬が好きで、付き合った男は夏が好きだったから自分も夏が好きだった。次に好きになる季節のことを考えながらお湯で顔を洗った。

ネットプリントもぜひ。2021.01.09までできますよ。セブンイレブンの方がおすすめ。印刷品質がいいから。ファミマとローソンは、だいたい1ヶ月先までプリント可能。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?