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【Facebookアーカイブ⑨疑義照会 専門性 先生の普通など】


<専門性を気楽に委ねては?>


患者さんの紹介がなぜ必要かと言いますと、情報爆発の時代、時間の物理的制限の中で専門性を上げる必要性があるからです。専門性は知識と経験が相まって形成されますが、医学の総体の中で個人がカバーできる範囲は年々小さくならざるを得ません。


ライト兄弟は飛行機は作りましたが、複雑なジェット機はチームで作ったように、患者さんに対応するには専門性を直接的に上げるだけでなく、間接的に上げることの重要性が高まってきます。これが紹介-被紹介の関係です。


これは必要性という本能に反することですが、必要性の向こうに患者さん、他の医療従事者にモテるという本能を満たすことが待っています。この間関係は動的なもので紹介ー被紹介(GIVE OR GIVEN)(注:GIVE and TAKEではありません)の関係は状況によって入れ替わります。


ですので やはりGIVEできる何かを少しでも持っていることが必要になるでしょう。 それは他の人が持たない専門性でもいいですし、他院の休診日に開いている、医師同士でなくても医師と薬剤師の関係でもいいですし、それをまずは表明を自分でしていく(GIVE)していくことが大切だと思います。


これまで医師はどちらかというと製薬企業や医療機器企業の担当の方から営業を受ける立場になることが多く、患者さんもお困りで頼ってくることが多いため、自身から頼るとかアプローチをすることは仕事上は多くなかったでしょう。


しかし、GIVEーGIVENの関係の端緒を自身で始めて頂きONAKAMA,ONE STEP FURTHERの関係をつくっていただきたい。


その第一弾としては 共にWIN-WINの関係になりモテ感を実感しやすい薬剤師さんとの関係強化だと我々は考えております。


<1年間で2000万枚の疑義照会>

「疑義照会」、この言葉をお聞きになって薬局の先生方は苦い感覚を覚え 動悸が早くなり 手に汗握り あの先生やあの病院の電話待ちの音楽を苦々しく思い浮かべたかと思います。 

平成27年度全国薬局疑義照会調査報告書によると処方せん枚数ベースの疑義照会率は、2.56%とのことであり 2.5%となると40枚に1枚ですが 年間の処方数が8億枚を超えていることを考えると2000万処方せんで疑義照会が発生しているということです。

 薬局の先生、お待ちになっている患者さん、そして医師に回答を待っている現場の受付や医療スタッフの方々の待ち時間を考えると とてつもない大切な時間リソースだけでなく医師や薬剤師の好感度や信頼が奪われていることになります。この解決を医師や薬剤師の先生方の専門性を獲得・維持するために積極的に利用いただきたいと思います。

しかしながら スタートアッププロジェクト全般に言えることですがコールドスタート問題といって、参加者が少ないうちはスケールメリットがないために参加モチベーションが上がらない状況にならざるをえません。 

つまり、数日に一回の疑義照会でしか使えないかもしれません。回答時間がそれほど変わらず 結局電話をするという律速段階が発生し意味の無いものに見えるかもしれません。ですので、社会的意義をご理解して頂き、自身のためのみならず患者さん、薬局のため、社会のため、使いにくいプロトタイプアプリをご使用いただける先生方にお願いしたことがあります。

疑義照会アプリを導入している薬局が近隣にあればそこに実際に先生自身が行って頂き登録をしていただきたいのです。もしも近隣の薬局で導入しているところがなければ存在をお伝えいただきたいのです。これは薬局さん経由でしか登録が出来ない仕組みなのです。

参考資料)疑義照会の4分の3をこのシステムでカバーできる可能性がある

前述の平成27年度全国薬局疑義照会調査報告書形式的疑義照会率(件数ベース)は、21.90%もあり、これについてはYES NOでほぼ答えられるのではないかと考えます。

薬学的疑義照会率(件数ベース)は78.10%であったとのことですが、薬学的疑義照会を100とした際に 
簡便に疑義が終わると考えられるものの比率(安全性上の疑義以外)
回数・日数・総数は25.7%(疑義照会のうち 78.1x0.257%)
用法・容量に関するものは31.2%(疑義照会のうち 78.1x0.312%)
服薬コンプライアンス・QOL改善に伴うものは9.1%(疑義照会のうち 78.1x0.091%)
調剤方法の疑義は0.5%(疑義照会のうち 78.1x0.005%)

合計すると薬学的疑義照会全体に対して51.93%(78.1%x66.5%)
加えて、形式的疑義照会との合計は73.83%となり 安全性の疑義照会を除くと疑義照会の4分の3をこのシステムでカバーできる可能性があるということです


<先生の「普通」は、他の人の「普通」ではありません>

「普通」という言葉ほど誤解を生む言葉も少ないと思います。

例えば、「普通の値段」といっても具体的な数字が全く思い浮かべることが出来ません。例えば、「雑誌で普通の値段」といわれると500-2000円以内かな?と想像できます。

電車で隣に座っているビジネスマンの「普通の仕事」は、先生にとっては全く「普通の仕事」ではないはずです。

同様に、おなじ医師として仕事していても、専門科が異なると常識となるコアの知識や経験は同じ医師という名称でくくることが出来ないくらい違うはずです。泌尿器科DRと耳鼻科DRとの知識を比べると当たり前ですが図のようになっているはずです。ですので、私自身もこんな当たり前のこと、他の先生にお伝えするのもおこがましいと思うことが実は相手には非常に役立つ情報であることを知って驚くことがあります。

相手がすでに知っていれば知っているで良いので、先生にとって「普通」のことで「患者さんには言うけど、他の先生には失礼だよなー」と思うことを相手は知りたがっている可能性は高いのです。

逆に悩んでいる患者さんのほうが、他科疾患についてより詳しいことさえある可能性があるのです。

聞く医師の方も「こんな当たり前のこと聞くのも恥ずかしいな」と思い、自分で調べようとして手間と時間をかけてもフィルタリングリタラシーがないので正しい知識を時間をかけても手に入れることができるかどうかは不明なんです。

その相手を悩ます時間と手間を減らして、相手が自分の持たない専門性を高めるためにその労力を遣っていただいたほうが良いと思いませんか? NYAUW!


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