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95%の診療所情報はわからないんです

最近 紹介先登録プロジェクトにご参加いただいた先生から
「紹介先はクリニックしかダメですか?」という質問を受けました。

もちろん 先生が信頼・紹介されている医療機関なら クリックでも病院でも構いませんのでその点は今後登録していただく先生も 病院・クリニック情報いずれでも構いません。よろしくお願いします。でもクリニックが良いなー!

なぜクリニック?

【医療ベレルのバランス 医療資源の適正配置】
医師の皆さまは学会や講演会などで上には上にはいることを悟ります。ですので、単に「患者さんの紹介先を教えて下さい」と依頼するとTOP OF TOPの情報を教えてくれようとします。しかし、大学病院などのTOP OF TOPに紹介することは患者さんの満足度につながらないことが多いのです。

例えば毎年起こるアレルギー性結膜炎のために  大学の有名なサイトカイン研究の第一人者の外来に紹介して 患者さんに何時間も待ってもらって診察してもらうのは誰にとってもHAPPYではないのです
大家の先生(後医)にとっては「なんでここにきたの? 忙しいから地元で見てもらってよ」
患者さんにとっては「偉い先生かも知れないが 長く待たされて軽くあしらわれて 地元で見てもらってよと言われた 何のために紹介されてきたの?」と前医にも後医にも不満

これは極端な例ですが わかり易い例として例年出るアレルギー性結膜炎をあげました。


【なのになぜ大病院に紹介?】
こうやって後医も患者さんも不満が出るとわかっているのになぜ 前医は大きな病院に紹介するのでしょうか? アレルギー性結膜炎にはサイトカインの大家が必要と思っているのでしょうか? そんな訳はありません。 でもオーバースペックな病院に紹介してしまう2つの理由があると考えます

A患者さんにとって適切なレベルの医療機関情報が医師も探せない
B-医療機関に対する患者さんの期待値

あくまでマクロ総論とお断りさせていただきます。 患者さんの医療レベルに対する期待値は 

大病院に対する期待値のほうがクリニックに対する期待値よりも高い

医療機関の専門性情報がない場合に 患者さんが納得するのは「大病院でわからないと言われたら納得だけど クリニックでわからないと言われたら最初から大病院に行けばよかった!」ということになってしまうので 

リクスマネージメント的になんとなく大病院志向が患者さんもクリニック医師にもあるのです。 

しかし 上に書かせていただきましたように 大病院に受診することはその医療機関のレベルに合ったものでないとみなさんが不幸になる可能性が高いのです。

名医本やスーパードクターについては情報が氾濫していますが、XX専門医のようなくくりで先生を探そうとすると専門医数もたくさんいますし 医師は自分は「いえいえ 私なんかダメです。こんなスーパードクターがいます」といって 少数の名医情報だけがWEB場に載ることになります。そうすると大病院に紹介が集まるのです


ご存知でしたか?医療機関の95%は診療所


井手「A先生 日本の医師の人数はご存知ですか?」
A先生「これは得意ですよ いつも先生が言っているから 約30万人で開業医が約10万人ですよね?」
井手「おっ、やりますね。 そうです 約33%が開業医です」
井手「では、次の質問です。総医療機関数のうち診療所数の比率はどれくらいだとと思いますか?」
A先生「開業医が33%くらいですので 施設数は60%くらい?
井手「ぶーっ!もっと多いです」
A先生70%?
井手「ぶーっ!もっと多いです」
A先生80%?
井手「ぶーっ!もっと多いです」
A先生90%?
井手「近くなってきました。」
A先生「そんな多いんですね」
井手「厚労省の令和元年のデータを用いてエクセルで計算してみました。」

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A先生「先生 相変わらず好きですね、こういったの。医科だけの集計だと診療所92.5% 医科と歯科の合計だと95.4%が診療所なんですね」
井手「そうなんですよ その医療機関の持つ本当のコアな専門性情報がないんです」
A先生医療機関の9割以上の情報がわからないということですね
井手「それそれの医療機関は自分自身の専門や近隣に関しては患者さんの送り先情報があるんですが その情報がシェアされていないので 他の先生はわからないのです。 17万件の診療所、そして医科と歯科で毎年6000件の新規開業の情報を追いかけることはまず不可能なことがおわかりになります。 これが NYAUWのテーマである 【ため息】です」
A先生「たしかに17万件と毎年6000件は無理ですね。 」
井手「そうなんです 紹介先というのは 長年かけて フィルタリングされてきた貴重な情報です。 このような紹介先は 知り合いになるコスト  関係維持コストを使って作り上げた 文脈依存の情報ですので 他の医療機関にとって意味のある情報かどうかはわかりません。しかし、少なくともある医療機関にとってはコストを掛けて維持されている意味のある情報です。」

<ソーシャル失敗の原因:関係維持コスト> #出会いの失敗 (新しい人と出会うことができない) 「会員数XX万人!」などとうたっている医療サービスで、先生ご自身は発信しているでしょうか? 通知メールなどで見出しを見て「おもしろそうだなー」...

Posted by NYAUW on Sunday, December 15, 2019


【医師の幼稚園<88>読書:ダンパー数150 フラットと矛盾!?】 皆さん LINEやメッセンジャーなどに 「今日はありがとうございました! またよろしくおねがいします」というメッセージのやり取り受信箱の下の方に澱のように残っていませんか...

Posted by NYAUW on Monday, March 29, 2021

A先生「確かに 仕事においてもプライベートにおいても自身の人間関係って簡単に維持できるものではないですから たしかに17万件と毎年6000件は改めて無理だとわかりますね」
井手「そういった情報をシェアすることで すこしマニアックな表現ですが LANルーターのルーティングテーブルを共有するようなイメージです
A先生「全く意味変わりませんが(苦笑) シェアですね 情報の」


井手「このパケットを正しく届けるために次はどのルーターにデータを引き渡すと効率的かを記載してあるテーブルのことです。これを言い換えると この患者さんを治療に適しており移動距離や待ち時間や満足度も踏まえると、次にどこに紹介すると良いかの情報を共有しようということです。」
A先生17万件の診療所があり、それは総医療機関数の95%で 毎年6000件が新規開業というのは 確かに追いつけないため息ですね
井手「そうなんですよ」


この95%の情報がないことでどれだけ 患者さん 前医 後医 社会保障費などの負担が増えているかマクロになんとなく理解できた先生方へ。是非、下記プロジェクトにご登録ください!


2021年10月28日14時31分31秒
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