WHOが出した乳幼児の「過ごしかた」の指針が具体的でわかりやすい(翻訳しました)

2019年4月24日、WHOが、『5歳以下の子どもの身体活動と不活動、および睡眠についてのガイドライン』をより読みやすい形にして、提言としてWebで公開した。(下に提言の一部を翻訳したものを掲載しました。ご覧ください。)

今回公開されたのは『To grow up healthy, children need to sit less and play more(健康に育つためには、座る時間を減らしてもっと身体で遊ぶことが必要)』と題された提言で、内容はシンプルかつ具体的だ。

ガイドラインというのは、それを遵守するように努力すべき、という指針だ。子育てについての最近の動向として、例えば睡眠時間や遊びの時間、子どもの拘束時間や過ごし方について、「仕方ないから正当化する」ことが多くなっている気がしていたので、こういうガイドラインが出ると「正当化してはいけない」ということが明確になっていいと思う。親は子どもの健康のために、これらを守る努力をすべきなのだ。もちろん難しい面もあるだろう。でも正当化するのではなく、そこは問題として受け止めることが大切だ。

これが世界に向けて発信される・・・どれだけ不活動とそれに伴う睡眠障害が問題になっているか、推して知るべし、ということだろう。読むと、その原因だと考えられているものは明確にその時間を減らすべし、と書いてあってわかりやすい。画面を見る時間、座っている時間、拘束時間、は身体活動の時間に変換されるべきなのだ。

できていない部分を、少しでも改善しようと思う。

追記(2019/4/27)本文では多分身体活動は「遊びの中での」という意味を含んでいると思う。そこも大事だろう。


(以下、今回公開された提言のうち、「Recommendations at a glance」を出来るだけ本文に忠実に訳したつもり。拙訳失礼します。)

<推奨事項の要約>

1歳以下の子ども:
★1日に何度か、いろんな遊びを通して活発な身体活動をすべき。特に床面でのコミュニケーションをしながらの遊びが重要で、たくさん行えば行うほどいい。まだ自分で移動ができない月齢では、遊びの中に、最低30分間のうつぶせをする時間を確保するべき。
★椅子にしろベビーカーにしろ抱っこ紐でもおんぶでも、一度に継続して1時間以上同じところに固定してはいけない。画面を見るあらゆるものは避けるべき。活動以外の時間では、保護者による読み聞かせやお話の時間をできるだけ持つといい。
★3ヶ月以下の乳児は14ー17時間、4ヶ月から11ヶ月では12ー16時間の質のいい睡眠が必要。昼寝を含む。

1ー2歳の子ども:
★最低でも1日3時間、さまざまな方法で、さまざまな強度(適度な強度のものから激しい強度ものを含む)の身体活動を行うべき。多ければ多いほどいい。
★椅子にしろベビーカーにしろ抱っこ紐でもおんぶでも、一度に継続して1時間以上同じところに固定してはいけない。1才の子どもにはテレビやビデオ、ゲームなどの画面を見る行為は勧められない。2歳では1日1時間を目安するが、少ない方がいい。活動以外の時間では、保護者による読み聞かせやお話の時間をできるだけ持つといい。
★11ー14時間の睡眠が必要(昼寝を含む)で、就寝と起床の時間を決め、守る。

3ー4歳の子ども
★最低でも1日3時間、さまざまな方法で、さまざまな強度の身体活動を行うべき。少なくとも60分以上は一定強度以上、激しい運動を含んだ時間が必要。活動時間は多ければ多いほどいい。
★一度に1時間以上、ベビーカーを使用したり、椅子に座らせ続けてはいけない。画面を見る時間は1日1時間を目安するが、少ない方がいい。活動以外の時間では、保護者による読み聞かせやお話の時間をできるだけ持つといい。
★11ー14時間の睡眠が必要(昼寝を含む)で、就寝と起床の時間を決め、守る。
<ここまで翻訳>

追記:自分の子どもの一日を、推奨事項と見比べてみた 

→ 『WHOの指針にだいたい合わせて子どもの生活を作るってこういうことだった』