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妻が椎茸だったころ

せっかくnoteを初めて見たので、これからは読んだ本の感想を書き残したいと思います。非常に拙い文ですが、細く長く続けたいと思います。

べた塗りの背景にシイタケが3つ描かれている表紙。なぜだか魅力を感じてジャケ買いしました。やはり魅力はこの余白美ゆえなのだろうか。
前から思っていたのですが、本を”気になる”の気持ちだけで買っちゃうのって程良い贅沢って感じで好きなんですよね。いいですよね。やめられない。

そんなんで購入した本、中島京子著「妻が椎茸だった頃」(講談社)
この本には「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」「ラフレシアナ」「妻が椎茸だったころ」「蔵篠猿宿パラサイト」「ハクビシンを飼う」の5つの短編が収録されているのですが、どの話も様々な意味でぞくぞくするお話でした。

読み終えたあと、一息ついて、面白かったなと思う本でした。
それぞれの話の中でいろんな気持ちになりました。
日常生活はどこかなつかしいような、濡れ場は全年齢対象とは思えないなまめかしさで、怖い場面ではぞくっとするような。
それでいてオチはしっかりしていてすごいなあと思いました。

特に気に入ったのは「妻が椎茸だったころ」。
妻に先立たれて残された夫の寂しさが愛おしい気分にさせてくれる話。
料理を通じて亡き妻の生前の姿を追うストーリーがとてもやさしく心に刺さりました。

ほろ苦く甘い素敵な短編に出会えてこの本を買ってよかったなと思いました。

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