見出し画像

スーパーのレジは改札口じゃないよ

あれ?幼稚園の娘がひとりでスーパーのレジに並んでる・・・・。

今、私は娘と近所のスーパーに買い物に来ている。店舗の回りには閑静な住宅街や、小さい小児科、ピアノ教室や畑もチラホラ・・・

とてもホッコリする風景にとけこんでいる愛用のお店だ。

その店は、1階のみのちょうどいい大きさ。1週間に数回通う娘はお店の人にも顔を覚えられ、店舗に着くと自宅のように一人で店内を駆け抜けお菓子売り場にまっしぐらだ。

いつも、そこで酸っぱいガムやアンパンマングミなどを物色して買うのが日課だ。
私もお菓子の買い過ぎを止めるために目的のコーナーに行くが、ついつい子供時代を思い出して気づいたらうまい棒やよっちゃんイカなど自分で買ってしまうこともしばしば、

さて、いつものように私がレジに並んでいると娘は買ってほしいお菓子をカゴに入れてきた。
ふと見ると、いつもと違うお菓子。ガチャガチャを小さくしたようなオモチャお菓子で、回すとガムがザラザラと出てくる楽しい商品だ。

「これ、いらんでしょ、前同じようなの買ったけど、すぐ捨ててたじゃん」
「いるよー!。これで遊ぶもん!」
「いやいや、返してきなさいよ!」
「ヤダー!やだー!」
「今日は無理!お店入る前に約束したでしょ?アンパンマングミ買うって。レジ間に合わないから持ってくるならグミ持ってきなさい」

「・・・・・・・・」

スタスタと彼女はお菓子売り場に消えていった。妙に聞きわけがいいな。

しばらくたっても戻ってこない。
レジの行列はベテランおばちゃんのレーンだったのかサクサク進む。
私の番が来て、あっという間にレジは完了してしまった。

(まあ、今日は残念だったな、レジに間に合わなかったし、あいつは何してんだか、)

と思いながら野菜やお肉を袋に入れていると、ふと視線に娘が入ってきた。

あれ?幼稚園の娘がひとりでスーパーのレジに並んでる・・・・

(いやいや、あんたお金ないでしょ!?
そこ、子供がただで通れる駅の改札口かなんかだと勘違いしてませんか?
そのまま並んでいたら、エキスパートのレジおばちゃんや、後ろに並んでいる人困らせちゃうじゃん!)

と心に額に汗をかきながら私は悩んだ。

(これは、社会経験としてお金がないとお菓子が買えないことを体験させる良いきっかけか?)
(いやいや、やっぱり他の人に迷惑かかっちゃうし、早々に止めに行かなければならないのでは?)

頭がぐるぐる回る。ああ、どうしようか、娘はメチャクチャ自信満々に並んでるではないか。
と、考えていたら娘がレジのおばちゃんに「はい!」と元気な声でお菓子を差し出していた。
よく見ると、さっきと同じオモチャお菓子。

(あいつ、私が断れない状況を時間差で作り出しただと!?)
(でもな、私が行かなければ買えないんだよ!現実を知りなさい!後ろで並んでいる人、一瞬だけごめんなさい!)

と思っていたら、娘が大きな声で叫んだ。

「330円だってーーーーーー!!!」
「っっ!!」

私は焦って駆け寄り、レジのおばちゃんにあやまりながらすぐにお金を払った。
後ろで並んでいたおばちゃんもクスクス笑っている。振り向くと、娘はすでにレジをくぐり抜け、買ってもらったオモチャお菓子を眺めて嬉しそうにニヤニヤしている。

そして一言、「ねぇ、早く帰ろうよ!私は早く遊びたいのー!」

(お前はどこでも生きていけるわ・・・)と思いつつ。このやり取りにホッコリしてしまった。

これも、日常

#娘 #子育て #日記 #日常 #家族 #育児 #休日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?