組体操ピラミッドの表と裏
娘の運動会、今年は組体操。
毎年どこかの学校で事故や怪我が絶えない出し物。しかし今回あらためて運動会で見て、この「組体操」の奥深さを知った。
組体操の表
表とはよく知られている事象。前述したとおり、事故になってしまうのではないか?怪我してしまうのではないか?ピラミッドの配置で保護者から苦情が来るのではないか?など、話題になりある程度予測できる事象のこと。一方で、事故もなく成功すれば盛り上がり運動会の目玉となりうる演目。
組体操の裏
こちらは僕の独自解釈。
組体操のピラミッドを見て何を思うのか?
それは会社組織の構図とも読み取れる。
単純にピラミッドの土台は「黒子」。聞こえが悪いが頂点に立つ子のための踏み台。綺麗な三角形を演出し、トップの子が決めポーズをした時、その子を中心にピラミッドの形は完成する。注目は一気に頂点へ集まる。
ここではこのピラミッドを「これまでの会社」と例える。
会社のトップと従業員
プロジェクトリーダーとプロジェクトメンバー
部長と部下、課長と部下
など、組織でいう「先導役」が目立つ上で必ず「土台」となっているメンバーが山ほど存在する。そして組織のほぼ大半は「土台側」の人たちということ。これは「これまでの会社」構造の特徴だ。今までの組体操ならピラミッドを組み立て終わっていただろう。
しかし今回の組体操は「これからの会社」までプロデュースしてくれていた。
**「これからの会社」とは? **
今回の組体操はピラミッドの後、すべての生徒が手を繋ぎながら波紋状に校庭に広がった。そして、その輪を大きくしたり小さくしたり、ウェーブしたり交錯したりなど、皆同じポジションで、その場所で一生懸命演目をやりきっていた。
この動きから見いだせる「これからの会社」とはティール組織のことだ。
「ティール組織」とは進化型組織と言われ、今までの達成型組織とは全く違う。彼ら一人一人は「主役」であり、上司から強制されることもなく「成し遂げたいこと」「やりたいこと」「興味があること」という自己実現の欲求にフォーカスした組織になっている。つまり、自分を常にモチベートしながら組織が目指す「大きな志」に向かって自身のポテンシャルを最大限に活かしているということ。そしてその活動はどんどんその輪を大きくし、強く骨太な組織として成長していく。それがまさに進化型組織=ティール組織と言える。
今回の組体操ではこの「達成型組織=これまでの会社」から「進化型組織=これからの会社」というストーリーを魅せられた気がした。
このプログラムを組んだ意図や背景はわからない。ただ単純に「みんな仲良く手を繋いで終わろう」という終わりにしたかったのかもしれない。
ただ、卓越していたのはフラットな円の中でしっかりとした「規律」が存在していたという点だ。
いくらティール組織といって、各個人に裁量権を与えられ、好きなことをやっても方向性が合わなければベクトルは分散し、組織としてのゴールへは近づかない。だからこそ、そこには「規律」が必要だ。
その点まで見せてくれた今回の組体操はとても学びが多く、「これからの会社」を表しているユニークな演目だったと言えるだろう。
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