1回目

私の頭の中は
どうしようでいっぱいだった。



これはきっと彼のもので
何本か減っているタバコ本数から見ても
彼が非喫煙者ではないことは明らかだった。



寝ている彼を起こして
聞いてみることも出来たが
その勇気が
私にはなかった。







タバコとライターを
彼の鞄からそっと抜き取り
自分の鞄に入れた。





翌朝なにも知らない彼が
家を出るのを見送ったあと


私は駅の近くのコンビニのゴミ箱に
タバコとライターを捨てた。





彼には何も言わなかった。

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