[2023年2月15日水曜日]大人になれよ


 大人になれよって。
 背伸びし始めた中学生が言いそうなことを。
 繰り返す、この世は永遠の中学校。
 どうか、そのままで頼むよ。
 待ち焦がれていた、あの世に辿り着くまでは。



否定
 昔、よく聞いたよ。
 もっと、大人になれよって。

 ランドセルがくたびれ始め。
 背伸びし始めた中学生に近づいた頃に。

 あっ、今もか。


フィロソフィー
 どうもそのようですね。
 全く何一つ変わっていません。
 背伸びし始めた頃から何も。

 相変わらず。
 賢く大人になれよ、と。
 命令するのが、大好きな中学生がいっぱいです。

 この世って場所が。
 永遠の中学校なのかもしれません。


否定
 どうも中学生って概念は。
 三年間通って、卒業式を通り過ぎても。
 まだまだ、貼り憑いてくる幻想のようだね。

 相変わらずだ。
 何年経っても変わらない。
 そんな我がままに。

 大人になれよ。

 そう言ったところで、どうにもならないって。
 気づける愚かさがないから。
 偉く立派に賢いのか。

 なんでも誰でも。
 公式通りの答えになるって。
 覚えていられる賢さだ。


フィロソフィー
 狭く狭い賢さですね。
 超・つまんないです。

 みんながみんな。
 公式通りの大人になってしまったら。
 『ピノキオの遊園地』から出荷された泥人形。
 斬首刑のマリー・アントワネットで溢れかえったら。

 首狩り魔女狩り舞踏会です。
 血みどろなバラエティーにも。
 そろそろ、飽きましたね。


否定
 ああ、飽きてきたね。
 もう、気がつけば白秋だ。
 待ち焦がれた、玄冬まであと少しだ。

 そろそろ、世界を変えよう。
 面倒な規則も追いつけない。
 そういう未知の世界へ。

 大人にはなれないわ。
 そういう公式知らないから。
 世界を壊すわ。
 のさばり過ぎたから。

 そこで、笑っていてくれ。
 そのまま、消したいから。


フィロソフィー
 そのままです。

 大丈夫です、私達に何を言っても。
 私達を止められないのと同じように。
 きっと、君達は中学生のまま。
 バラエティーの収録は永遠に続くから。

 世界ってそういうものです。
 一つじゃなく、一人一人にあります。
 私が終末のボタンを押しても。
 まだ隣の家では放送されている。

 ずっと、言い続けるのでしょう。
 日替わりのゲストに向かって、永遠に。

 大人になれよって。

 中学生が覚えた呪文だけを唱え続けている。
 そういう世界ではない。
 実に、バカげた世界で私達は。
 相変わらず、追いかけっこです。

 どうにも止められません。
 永遠の中学生がいるように。
 永遠のワガママでシカト走り。

 その先は……待ち焦がれていた、あの世です。
 誰も信じない、たからじま。
 それを信じる愚か者は。
 そんなにはいません。

 ……もしかして。
 賢そうなあなたも気づいているのですか?
 愚か者にしか気づけない、ワンダーランドに。

 そりゃ……『世界の終わり』ですね。
 いいものですよ、ITは。
 ITが見えたのなら、もう、終わりです。

 あると思っていたものが幻で。
 ないと信じていたものを感じ始める。

 ちょっと緩やかに、だいぶ柔らかに。
 かなり確実にひっくり返っていきます。
 この世があの世に、あの世がこの世に。




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それでは、また次の機会にお会いしましょう。





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