[2021年8月18日水曜日]ネタが伝わらない寿司屋は

　ネタが伝わらない寿司屋は。
　もはや、寿司屋にあらず。
　ただの廃墟、狼少年の根城。
　ネタが見えない舎利は。
　聖者の遺骨、口なしだ。

否定
　ネタなんだってさ。
　あれもこれもそれも全て。
　
　嘘じゃなくて。
　わかりきったネタなんだってさ。

　でも、悲しきかな。　
　生憎、馬鹿な私にはそのネタが。
　微塵の欠片もわからない。

　そんな私にとって。
　そこは寿司屋じゃなくて。
　狼少年の根城なんだ。

フィロソフィー
　ネタが伝わらず見えないのであれば。
　そんな寿司屋は寿司屋にあらず。
　ただの廃墟ですね。

　それも詮無きことです。
　だって、私も同じですから。

　全く、見えませんよ。
　シャリの上のネタが。

　ネタが見えなければ。
　ただの舎利。

　聖者の遺骨は口なしです。

否定
　『死人に口なし寡黙は人形』だね。

　狼少年の根城の職人が。
　いくら凄いネタで寿司を握っても。
　
　それが伝わらないのなら。
　寿司にもなれず、ただの一食。
　
　寿司職人なら。
　凄いネタで攻めたいのだろうけど。
　凄過ぎて伝わらなかったら。
　何の意味もない。

　もはや、寿司でもない。

　だけど、それでもいいと。
　ワガママを貫ける、頑固なやつは。
　どこへ行くんだろうね？

フィロソフィー
　さあ、どこへ行くのでしょうか。
　きっと、寿司屋がない新天地へ。
　辿り着いてしまうのでしょうね。

　ワガママな本心を。
　逃がさないように。
　挟んだ、頑固なやつを。
　食べさせてくれる、そんな場所へ。

　私、飽きました。
　上質なネタ、流行のネタ、古典的ネタ。
　ネタ、ネタ、ネタ、それが続けば。
　寝太郎が妬ましい、何かの種。

　せっかく、今に生きているというのなら。
　ワガママな本心を明かしていたいですね。
　口なしの舎利の遺骨の上に、握らずに。

否定
　そうだね。
　下手なネタを握り過ぎたら。

　今、この瞬間ですら。
　ネタに変わりそうだ。

　そんな結末はごめんだね。
　できることなら。
　頑固なワガママを貫きたい。

　あなたはどうだろうか？
　ネタを握り過ぎて。
　狼少年の根城の職人だろうか？
　それも、ステキな生き方ですね。

　だって、その寿司を喜んでくれる。
　常連さんがいるのだろうから。
　かなり立派な人生ですよ。

　曲げられない、頑固なワガママが。
　そう思ってしまった、今。
　別々の扉の先でも。
　お互い同じ今を進んでいる。

　大将、今日もネタをありがとう。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。

ネタが伝わらない寿司屋は