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VP of CS1年目の振り返り〜CS責任者として意識した3つのこと〜

こんにちは、カミナシのカスタマーサクセスの宮城です。
カミナシに入って1年が経ち、カスタマーサクセス(CS)の責任者であるVP of CSになって半年が経ちました。

私が入社してから会社の社員数も20名から50名を超え、顧客数も4倍以上になり会社や事業の規模も相当大きくなっています。

CSチームとしても1年前と比べるとメンバーも4倍近くになり、チームレベルも上がってきたと自負しています。このnoteではCSの活動や事業進捗などではなく、VPとして1年の活動の振り返りを行いたいと思います。

ちなみにVPはVice Presidentの略で近い役割だとGM(General Manager)などがあり、いわゆる責任者ロールになります。
私もVP職を行うのは初めてで、何からやろうか迷ったり考えたりしたことが多かったので、似たような役割の方だったりマネジメントに興味がある方のお役に立てればと考えています。
特にこんな方の参考になったら良いなーと思います。

CSの組織作りやマネジメントをやっている方/目指したい方
CSに関わらず組織作りやマネジメントに興味がある方
責任者になったけど何したら良いか悩んでいる方

カミナシのCS体制

チームの体制としては以下のような形で実施しています。チームは13名、その中にVP1名、manager1名がいます。

全員が顧客を担当しながらも、施策をプロジェクト化し回しています


メンバーのバックグラウンドが多種多様なのが特長で、CS経験者にこだわらずカミナシのミッションとバリューに共感してくれる方の採用に成功し、CSの中でも様々なロールで活躍してもらっています。

実は新卒も入社しました


優秀なメンバーにたくさん入ってもらって、会社としてももっと成長させないといけないという時にVPという役割を拝命いただいて、実は少しだけ緊張していました笑
今までもmanager職や責任者ロールを担当することはあったのですが、CS業務全体の執行責任を負うことは初めての経験でした。「何からやったら良いんだっけ?」と迷ったりしたこともありましたが、習うより慣れろの思いでいろいろやってみました。

VPとして意識して実施したこと

チームの活動と経営を連動させる

最初に行ったのは、CSチームとして活動していることと経営指標を連動させることを実施しました。CSチーム全員にとって自分のやっている活動が会社を良くしていると実感できるようにCSの指標が明確に経営指標と紐付いているようにしました。

CSの業務はsalesなど他のビジネスチームと比較すると、どうしても浮きがちになると思います。事業成長を表す新規獲得ARRなどに紐づき辛く、プロダクト利用率などARRとは一見離れている数値を追いかけなければいけないので、「自分の活動は事業成長に貢献していないのか、経営陣はCSに興味ないのか」となることも過去の経験からもありました。

なので、カミナシのCSでは「最重要指標はNRRとchurn rateだよね*」ということを繰り返し発信し、経営チームでもその数値について議論することを意識的に増やすことでチームの活動と経営指標の紐付けを行っていました。
*NRRとchurnの詳細についてはAll STAR SAAS Fundの神前さんが素晴らしい記事を書いているのでご参考ください。


未来について語る時間を増やす

CSは持つ顧客数も多く顧客対応が日々の業務になるため、どうしても現状の対応にばかり目が向いてしまうという課題があると思います。それによってチームの一体感が薄まったり短期的な思考が強くなって大きく考えるということができなくなりそうだなという課題感がありました。

なので、VPになってからは未来について話す時間を増やしました。カミナシのプロダクトはどうなるのか、事業はどうなるのか、CSチームはどうなるのか、について言語化することに注力しました。
言語化して語ることで、あえて余白を残してみんなで考えて議論する場を作ることで、チームの思考を少し先の未来に向けることができるよう考えました。

2022年の頭に1年後、CSはこうなるよというvisionを作ってみんなでディスカッションしました


どうしても日々の課題が多いと未来のことなんて考える余裕がなくなるのですが、あえて時間を作って全員の目線を上げることで「1年後、このチームはどうなっているのか」という共通のビジョンを作ることができました

超余談ですが、私はこういう未来のことを話したりするのはとても苦手だったのですが、この役割になったことで一定できるようになりました、やればできる笑

CSチーム外の活動に時間を費やす

上記2つと同じぐらい意識したのがあえてCS以外にも首を突っ込むということでした。先日、自分の時間の使い方を測定したところ、CSに時間を使っているのが全体の30%程度で、他7割は他業務に使っていました。

自分の時間の使い方をグラフ化してみた


なぜこれを意識したのかというと、大きな理由はチームの視野を広げることです。
SaaSはチームプレーになるので、CSだけではなくもちろんどのチームもそうですが、特にCSは自分たちだけでできることが少ないチームです。セールスと連携して初めて売上が最大化されるし、広報チームと連携することで導入事例を多く発出することができます。

他チームと連携して大きな成果を出すことができるのがCSの強みなので、自分自身が積極的にCS外の課題を拾いにいきました。拾ったらCSチーム内で話して、チームで会社全体の課題解決に向かえるような意識付けを行いました。
例えば、セールスチームが顧客へ価値を届けて売上を伸ばすためにはもっとリアルな導入ストーリーが知りたそうだなという課題をキャッチしました。これをCSチームで話したところチームメンバーが早速セールス向けに事例共有会を企画して実施してくれました。

とても好評で、今ではセールスだけではなく任意で社内のだれでも参加できるイベントになっています。

チームとして前進したこと

以上の3つを意識したところ、もちろん上記だけが理由ではないですが、CSチーム全体が活性化されて良い効果がいくつかありました。

自律したチームになった

まず、寂しいなと思うぐらいCSの個々の活動や個々の案件に携わることがなくなりました。基本的にはメンバーで自律して、気づいたら新しいプロジェクトができたりしています。前述の他チームと関わるところも主体的にそれぞれのメンバーが行って課題解決に取り組んでくれています。

例えば、3~6ヶ月に1回振り返りも兼ねてCSオフサイトを行っているのですが、毎回違うメンバーが企画してくれています。直近だと顧客にもっと向き合うために一人ひとりのお客様に対してどういった体験を提供すべきか、というテーマでチームで議論しアウトプットを生み出しています。

こういった取り組みがメンバー(今回はほそみん)から企画され全員で運用されるのを見るとどんどん自律して自分のやることがなくなってきたなーとなりますが、良い傾向かなと思っています。

個人的に過去イチだった5月のCSオフサイト


他にも、単発の施策だけではなくPDCAを長く回す取り組みもあり、managerのまどんぬ主催で主体的にOKR運用を行っています。これによって目標を決める→振り返る→必要に応じて修正するという良いサイクルが生まれています。かつ、OKRを運用することで3ヶ月という少し先の未来を考える癖が全員についてきたと思っています。

CSチームのOKR運用についてはここに詳しく載っているのでぜひ参照ください。


チャレンジの総量が増えた

また、チャレンジする数が圧倒的に増えました。私が入社した時は1つ2つしかなかったのですが、今では何個あるかわからないぐらい多数のプロジェクトが発足しています。
これもメンバーが自発的に行っているのですが、良いなと思っているのは自分たちのためではなく顧客に貢献するために実施し事業貢献を意識した施策になっていることです。かつOKRと紐付けて期間を区切って定量化できていることもあり、単純に数が多いだけでなく良質な施策が増えているなと思っています。

2021年前半と比べると格段に施策が増えました


振り返ると失敗したなと思ったこと

一方で、自分が明確にボトルネックになっていることもありました。最大のボトルネックは兼任がとても増えてしまったことです。
前述した通りCS外の課題を探していたら「やる人いないから自分でやるか」が大量に増えてしまい、結果兼任が増えてしまいました。

兼任が増えることでスケジュールが埋まってしまうという課題もありますが、何よりも意思決定がねじれてしまうことが課題だと感じています。意思決定が正しいかの説明責任が難しい場合が何度かありました。
なのでもしこれから自チーム外の課題を拾いにいく方がいたら、断固たる思いで自分以外の人をアサインすることを強く推奨します。


以上が1年の振り返りです。同じようなミッション・ロールの方に少しでも参考になると幸いです。
まだまだできていないことも多いので、1年後は全く違うことを言っているかもしれません。間違いなく言えるのはチームとしては前進したことと、CSチームの一人ひとり含め周りに支えられたなということです。優秀なメンバーが自律的に活動してくれるからこそ、未来やチーム外に目を向けられているので感謝です。


また、カミナシでは全方位的に採用を行っています。CSはもちろん、私が兼任しているBizdevやエンタープライズセールスも大募集していますので、ぜひ興味ある方はカジュアルにお話できるとありがたいです!


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