スタートアップがPRを始める時にまず考えてほしいこと
この記事では、スタートアップがPRを始める時に考えてほしいことを簡潔に伝えます。
昨今、スタートアップにおけるPRの重要性が認識され始めています。
その一方で、PRの本来の目的や性質を見失ったまま、施策などHOWの部分だけを考えてしまうケースも起こっています。
「ユーザーを巻き込んだイベントをやろう」「メディアに露出されるようにリレーションを強化しよう」という施策によって達成したいゴールは何なのかをまず設定していくべきです。
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そもそも広報とPRの違いって何?
広報とPRは同義として使われることもありますが、実は異なる意味合いを持ちます。
広報:「広く報せる」。つまり社会に対して情報発信をすること
PR :ステークホルダーとの理想の関係を構築すること
広報は一方的に情報を発信すること、PRは理想の関係を構築するために情報を発信したり、収集したり、コミニュケーション戦略を考えたり、手段を限定せずに行います。
そういった意味では、広報はPRの一要素でしかありません。
多くのスタートアップ企業では、PR活動といいつつ一方的な情報発信、特に知名度獲得のためのメディア露出やオウンドメディア公開のみを行っています。これは、広報活動(の中でもすごく限定的)であり包括的なPR活動ではありません。
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PRを始める時に考えてほしいこと
PRを始める時に考えてほしいこと、それはステークホルダーとの理想の関係を定義することです。
マーケティングでもセールスでもカスタマーサクセスでも、はじめに理想を規定するものです。(途中で変わることもありますが)
PRでも同じように理想の関係を規定しましょう。
規定にあたり、考えることは下記の3つです。
① ステークホルダーは誰なのか
② (理想の関係の時)ステークホルダーは何をしてくれるか
③ (理想の関係の時)ステークホルダーは企業にどんなイメージを持っているか
この3つを考える時には下のような図が使われることが多いですね。
① ステークホルダーは誰なのか
おさらいです。PR活動の目的はステークホルダーとの理想の関係を構築することです。
それでは、ステークホルダーとは誰なのでしょうか。
PR活動には、顧客以外のステークホルダーとの関係構築も含まれます。
・顧客
・株主
・政府・自治体
・業界団体
・従業員
・採用候補者
・etc…
上記以外にも多くのステークホルダーが存在します。また企業によってステークホルダーは異なります。また、上記はよくあるざっくりした分類なので、もっと粒度を細かくしていきましょう。(サンプルはnoteの最後に記載しています)
すべてのステークホルダーとの理想の関係を規定していってももちろん良いのですが、余力がなければ重要だと思われるステークホルダーに限定して理想の関係を規定していっても良いでしょう。
とはいえ、そこまで時間がかかるものではないのでどんなステークホルダーがいるかだけでも書き出してみることをオススメします。
② (理想の関係の時)ステークホルダーは何をしてくれるか
PR活動の目的はステークホルダーとの理想の関係を構築すること、と書きましたが、実はその先があります。
理想の関係構築によって、ステークホルダーに何かしらのアクションを行ってもらうこと、Behavior Change(行動変容)です。
理想の関係の時に、ステークホルダーは何をしてくれるか( ≒ 何をしてもらいたいか)を決めることは、PRのゴールを決めるということに加え、PRがもたらす事業への影響を確認するうえでも非常に重要です。
③ (理想の関係の時)ステークホルダーは企業にどんなイメージを持っているか
Behavior Change(行動変容)する状態では、ステークホルダーは企業にどんなイメージを持っているか考えてみましょう。
顧客が購買に至るには、商品に対してプラスなイメージを持っていることが必要です。プラスなイメージをブレイクダウンして考えていくと、様々な要素に行きつきます。
ex.
◯◯ってサービスを使うと成果が出るらしい
◯◯はサポートが手厚いから運用がスムーズらしい
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これを考えると変わること
ここまで紹介したことを実践すると、アクションが変わります。
scoutyの事例を見ていきましょう。
①ステークホルダー :顧客からスカウトメールを受け取るエンジニア
②何をしてくれるか :顧客からのスカウトメールに返信してくれる
質の悪いメールを受け取ったと口コミしない
③持っているイメージ:scoutyから送信されるメールは品質が良い
採用担当・エンジニアが1通1通きちんと書いている
顧客からスカウトメールを受け取ったエンジニアは、scoutyにとってサービスの根幹に関わる非常に重要なステークホルダーです。
彼らにこのようなイメージを持ってもらうためには、何ができるでしょうか。scoutyではこんなアクションをしています。
<アクション例>
・scoutyでは、テンプレで一斉メール送信ができないことを発信する
・質の悪いメールを送信しないように検閲機能を設ける
前者に関しては、取材、顧客へのサービス説明、採用面談、社内外のイベントでもなるべく伝えるようにしていました。(今は多少抑え気味)
後者は一見するとCSなどの業務にも思えますが、PR部門のメンバー(つまり私)が率先して対応しています。
ユーザーを招いたイベントを実施する、メディアに取り上げられるといったありがちな施策よりも、実は後者の検閲機能がより多くのエンジニアに影響を与え、理想の関係に近づけてくれています。
こういった施策は、施策ベースの着想ではなく、ステークホルダーとの理想の関係を定義して、そこから導き出さないと生まれないものです。
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まとめ
イベントを実施する、メディアに露出する、という活動はもちろん重要ですが、最初に必ずステークホルダーとの理想の関係を考えてみてください。
それによって、PR活動の方向性が定まったり、本当はやらなければいけないことが見えてきます。
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