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【5/22-31まで無料配信】SXSW 2020 Virtual Cinema on Oculus TV レビュー Part 2

概要

今年開催中止となってしまったSXSWですが、Oculusのサポートにより「SXSW 2020 Virtual Cinema on Oculus TV」と題して、今年のSXSWで上映予定だったVR映画7作品を5/22-31まで無料配信を行っています。

SXSW 2020 Virtual Cinema の上映作品は「Places」(3作品)と「People」(4作品)の2つのプログラムに分かれており、昨日noteで「Places」プログラムの3作品を紹介させて頂きました。

本日のnoteでは、「People」プログラムのうち「The Curious Life of Bill Mont」「Gr8ness」の2作品をご紹介させて頂きます!(「People」プログラムの残り2作品は、長くなってしまうので記事を分けてアップします)

作品紹介

①The Curious Life of Bill Mont(ビル・モント氏の好奇心あふれる人生)

この作品の舞台は、カナダ・ノバスコシア州の首都ハリファックスにある、高齢者向けのケア住宅です。この施設に入居している89歳のビル・モントはアントレプレナーで、最近では人の遺灰を月に送るというベンチャーにも取り組んでいます。

彼はウィンターフォーマル(ダンスパーティー)に向けて準備を進めながら89年間生きてきた思い出を振り返り、これまでに経験した愛や喪失、またアントレプレナーとして携わってきたプロジェクトについても思いを巡らします。89歳を迎える人生というのはどういったものなのかを体験できるドキュメンタリーとなります。

私がこの作品で好きだったのは、ただ被写体を撮り続けるだけだと単調になりがちなところを、ポップな演出で見やすくしていたところです。実写ドキュメンタリーの中に可愛いテロップで解説を挟んでいたり、また月に遺灰を飛ばすイメージをアニメーションで描いたり、所々で制作スタッフ自身の姿がメイキング的に映し出されるところなども、見やすくて良いなと思いました。

また、ビル・モント氏がダンスパーティーに参加するシーンも素敵で、この年になってもこういう楽しさを味わえる人生っていいものだなと感じました。

②Gr8ness

この作品は南アフリカで撮影されたドキュメンタリーです。南アフリカに住む2000万人の若者のうち、70%が犯罪の被害者もしくは加害者となってしまい、また37%もの若者が大学入学前に退学をしてしまうという統計があります。

この作品の主人公のイーサンは、南アフリカ・ケープタウンのミューゼンバーグで両親・兄弟と共に暮らしていたのですが、経済状況の悪化のために、同じケープタウンのグラシー・パークという街で彼の祖母と一緒に生活しています。

イーサンはスケートボードが好きで日々仲間と練習をしているのですが、ある時メンターとの出会いによって、スケートボードに絵を描くグラフィックデザイナーの仕事に興味を持ち始めます。

このドキュメンタリーでは、イーサンがクリエイティブな仕事に夢を抱いていく姿を通して、ケープタウンの若者たちがクリエイティブな業界と関わる機会を持つことで、今のケープタウンの状況が変わっていく可能性を描いています。

私はこの作品を見て、自分が訪れたことが無い街の、ごく普通の若者の日常をVR空間で追体験できることがとても面白いと感じました。撮影の仕方もお洒落なV-log的な雰囲気になっており、海が綺麗で明るいケープタウンの街並みを感じられ、見ていて気分が良かったです。スケートボードで練習するシーンなどは、おそらくアクションカムを使ってライトに撮影をしているのだと思います。

VR映画というとかなり大掛かりな作品をイメージしがちですが、こういった日常の中からテーマを見つけてVRドキュメンタリーを作り上げていき、またSXSWのような大きな映画祭で取り上げられるというのは夢のある話だなと思いました。


以上、「People」プログラムの2作品を紹介させて頂きました!「People」プログラムにはあと残り2作品があるのですが、記事が長くなってしまったので次のnoteでご紹介します!

※下記が続きのnoteになります。


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