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Baobab StudiosのVRアニメーション「Crow: The Legend」

Baobab Studiosについて

VR映画の制作プロダクションの中でも、世界的に有名なアニメーションスタジオの一つがBaobab Studiosです。

Baobab Studiosは2015年に設立したアメリカの会社で、ドリームワークスのアニメーション映画『マダガスカル』シリーズ等の監督として活躍してきたエリック・ダーネル(Eric Darnell)をクリエイティブのトップに迎えて、これまで『JACK (PART 1)』『INVASION!』『ASTEROIDS!』『CROW: THE LEGEND』『BONFIRE』など5つのVRアニメーション作品を発表してきました。

Crow: The Legendについて

Baobab Studiosは毎回作品をリリースする度に、各国の主要映画祭で話題の中心となっている存在なのですが、その中で私が特に好きなのは2018年に発表されたVRアニメーションCrow: The Legendになります。

この作品はOculus Quest、Oculus Rift、Oculus Go、Gear VR、PSVRなどのデバイスに対応しており、無料で視聴することができます。

ストーリー

この物語は、一年中ずっと暖かい日々が続いていた時代に、森の中で動物たちが楽しく暮らしているところから始まります。しかしある時に突然森に冬が訪れ、動物たちは命の危機を感じるようになります。

そんな時、森の動物たちの救世主となるのが、動物たちの中でもヒーローのように扱われていたCROWです。"CROW"は日本語に訳すと「カラス」なのですが、この作品の中では鮮やかな色の羽をもち、また美しい歌声を持っています(これもまたストーリーの鍵になっています)。

皆の期待を一身に引き受けたCROWは、もう一度暖かい世界に戻してもらえるように交渉するため、宇宙にいる「創造主」のもとへと羽ばたいていきます。

作品の感想

ストーリーの面白さはもちろん、全てのシーンにおいて視聴者をワクワクさせてくれるような空間の使い方をしているところが、この作品の魅力ではないかと思います。冒頭の森のシーンは、こじんまりとした窪みになっているような空間の中で描かれていて、動物たちの日常を覗いているような感覚が得られます。そしてCROWが宇宙に旅立ち創造主のもとへと向かっていくまでの間には、大きな月や太陽のそばを通っていったり、銀河のなかを駆け抜けていったり、また創造主のいる光の中に飛び込んでいったりと、とてつもなく壮大な世界の中を旅する感覚が得られます。

また各キャラクターの可愛さも魅力です。主人公のCROWや動物の仲間たちはもちろん、月や太陽が笑顔で喋りかけてきたり、宇宙の中ですれ違う星屑たち(岩?)にも顔があって歌を歌っていたり、またこの世界の創造主までもがなんとも言えない可愛らしさを持っています。

無料で見られる上に、ストーリーの面白さ、演出、クオリティのどれをとっても素晴らしいので、ぜひご覧になってみてください!

余談

ちなみに余談なのですが、Baobab StudiosのCEOであるMaureen Fanが以前以下のYouTubeに出演していて、スタジオのことや自身のキャリア、またVR業界のことについてもかなり赤裸々に語っています。

このYouTubeチャンネルの運営者 / 対談相手は、Kaleidoscopeという没入形アートのファンディングプラットフォームのCEO・René Pinnellです。

二人ともVRの冬の時代を乗り越えてきている(2019年の動画なのでまだその最中にいる?)同志のような間柄だけあって、「俺はこの冬の時代にどうやっていけばいいんだ?」「私は本当はアーティストになりたい人だったのに、大嫌いなビジネスをやることになっちゃったの」「本格的にVRの時代が来るまでに大事なのは、スモールチームであまりお金を使わずに作品を作り続けることよ」といったぶっちゃけ話を繰り広げていて、世界的に有名なVR映画の制作プロダクションでもまだまだ黎明期ならではの苦労をしているんだ...と、同じ業界にいる自分も励まされるような気持ちになります。

ご興味のある方はぜひ見てみてください!

*Twitterもやっていますので、宜しければぜひ繋がってください!

https://twitter.com/Kanamonomono




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