ゲームからの逆算とコーチングの忍耐 ~今シーズンの振り返り~


オミクロン株が猛威を振るっている昨今、いかがお過ごしでしょうか。
現在ジュニアU10を観ていますが、学んだ事や意識したことを振り返ろうと投稿しました。
今シーズン学んだのは何個かありますが、テーマにある「ゲームからの逆算」と「コーチングの忍耐」についてですね。(残りは後日投稿します)1つ1つ述べていこうと思います。最後まで読んでいただけたら幸いです。

①ゲームからの逆算について


結局、トレーニングって何をすればいいの?
何が良いトレーニングなの?
そういう疑問がよく浮かびました。
試合から分析して行うM-T-Mがありますよね。
自分はU10を担当していますが、改善することしかないんですよね笑
サッカーのサの字もわからず、技術もまだまだの選手しかいません(恐らくどこの国、地域も共通だと思います)。
さらに、プランニングとかプレーモデルとか、次の対戦相手がとか色々と考える材料や情報はたくさんあります。中々そこからトレーニングをどうこうするのが難しいですよね・・・
自分もコーチになって6年が経ち、色々なことを経験しました。
上記の問いに対して、ようやく1つの答えが見つかりました(あくまで現時点での自分の答えです)

それは、「ゲームから逆算すること」です。
よく言われる謳い文句の1つだし、当たり前のことだと思います。
自分も当然のことと思ってました。
それに倣って常にゲームから逆算してTRを構築していました。いや、しているつもりでした。

「ゲームから逆算する」とはどういうことか?

この言葉は「実際の試合(ゲーム)から逆算してTRを構築する」という意味になります。
したがて、実際の試合で使うプレーや状況を想定して、トレーニングしなければ意味がないと強く感じます。
例えば、パスアンドゴー。
よくあるパスを出して動く、基礎的なドリルトレーニングです。
この時のパスをする距離に関して、皆さんはどのようにして決めていますか?設定した距離にどのような意味を持っていますか?
キリが良いから10mとか?今日は少し長めに15mとか?・・・etc
ここをゲームと関連させることが大切だと思います。

どういうことか?

試合を分析して、ビルドアップの局面でCBやGKからFWへの縦パスが入らないことが課題だとします。
CBやGKがボールを持っているのは大体PAの線上、FWが待っているのはセンターライン上と仮定すると、ジュニアサイズではこの距離は22mです。
それなのにパスゴーを10mで行いますか?なんとなく15mで行いますか?
恐らく22mで行うのが1つの考えだと思います。(レベルや環境によって数m変えてもいいと思いますが)

ゲームから逆算したTRの紹介例

これが「ゲームから逆算する」ことだと考えています。
実際の試合で起きている現象の原因をしっかりと捉え、それをもとにトレーニングを構築すること、意図を持って設定することが大事だと思います。そして、それらがしっかりと積みあがるようにプランニングすることが重要です。
また、実際にはただのパスアンドゴーが試合に直結する動きに繋がるかというと必ずしもそうではありません。したがって、この辺もゲームに近づけるために少し工夫が必要です。(以下の図及びTRの説明が上記の説明を反映したTRになります)
ただ、パスアンドゴーがダメとは限りませんし、紹介する以下のTRが誰に対して良いとは限りません。あくまでチームの状況等と照らし合わせた結果です。もちろん自分はパスアンドゴーのようなTRも行います。       

TRの説明                               

20211101 パスコン 前進

ルール                                ・矢印の通りにパスをする。                      ・ボール2つで行う。                          ・パスをしたら、出した所に移動する。                  ・右回り、左回り両方行う。                         

イメージ                              中盤の前進をイメージ、三角形の頂点はFW、残りの2点はCB(あるいはCH)をイメージしてプレーすること→CB⇔FW間は22m、CB⇔CB間は13m程度にする。

キーファクター                            ・観る(いつ、何を)                         ・パスの質(スピード、正確性、優先順位)                    ・コントロールの質(次にプレーが出来る位置→足元or持ち出し)     ・動き出しとタイミング(相手の状況をイメージして裏に抜けるor降りてもらう→優先順位も意識して、顔を上げて蹴れる瞬間、アイコンタクトと要求)


②コーチングの忍耐

今シーズンで1番変わった事の1つはコーチングです。
それがタイトルにある「忍耐」に関係あります。
例えば、U10の11月のTRテーマは「前進」でした(上記のTRはその時の行われた1つになります)。しかし、ゲーム中は色んな現象が出ると思います。もし1つ1つに言及していけばテーマとかけ離れたコーチングになり獲得すべきものを獲得できずに終わってしまいます。まして、選手が混乱してなんのTRだったかわからなくなってしまいます。そういう意味での忍耐も大切だと思います。

しかし、今回1番伝えたいのはその部分ではありません。(TR中や、試合中のコーチングに関しても述べたいですが、今回は割愛します)
上記における忍耐も大事ですが、より必要になるのは個人に対してだと考えています。

コーチングにおける忍耐とは?

今シーズンを例に挙げて述べたいと思います。
前述したとおり、ジュニアのU10を担当しました。メンバーは10人、そのうち4年生は8人・3年生は2人でした。また、9人がスポーツ少年団でのサッカーの経歴があります(つまり1人だけ初心者です→ちなみに初心者の選手は3年生です)。初心者の3年生を例にして、「忍耐」に関して述べていきます。

その初心者の選手ですが、当然ボール扱いは他の選手より劣っています。また、3年生なので単純に4年生よりも身体能力は劣りますよね。(その選手はコーディネーション能力が高いので恐らくそこが評価されて自チームに入ったと思われます)
4月から活動を始めて、早速6月に4年生の地区大会、7月に県大会が行われました。県大会上位2チームは地域大会に進出できます。それらも関連して、大事な試合ではその選手を出場させることが出来ませんでした。よく全員出場を謳っている方もいらっしゃいます。わかります、自分も全員出場させたいので。しかし、チームに入って3か月足らずで大事な試合に出場できるほどの選手には成長させることが出来ませんでした(同様に4年生でも2人いました→飛び級で上がった2人の選手を含め、12人で大会に臨んだため)。ここに関して、自分の力不足だと痛感しています。しかし、おかげさまで3月中旬に行われる予定の地域大会に出場することが出来ました。
その選手は、当時プレーに自信がありませんでした。ボールを要求しない、ボールを持ってもすぐ隣にパスをする。理由は簡単です。初心者であるが故TR中から成功するプレーが他の選手に比べて極端に少ないからです。その選手に対して、他の選手と同様の基準を持ちジャッジしていたらどうなると思いますか?恐らくその選手にとっての基準が高くなりすぎて余計に自信を無くしてしまうだけですよね。ここで大事なのが「忍耐」です。その選手に合わせて基準をもち、ジャッジしてあげること。自信を失っているのならチャレンジしている姿勢を褒めればいいですよね。当然、褒めて終わりではありません。チャレンジする姿勢を褒めつつ失敗した理由についても言及しなければいけませんが、その言い方も注意を払わなければいけませんね。また、普段のTRだけでなく、TR前後などの時間を使ってどういう自主練をしているか?最近はどういうことが出来るようになったのか?あるいは学校生活など様々なコミュニケーションを取り、成長を促しました(当然他の選手にも行っていますが)。おかげさまでその選手は自信がついたのか今では素晴らしいプレーがたくさん出るようになりました。3月の地域大会ではスタメンでプレーすることも可能ではないかと思うほどです。

どの選手に対してもというわけではありませんが、高い基準を要求することも考え物ですね。まずは、飛べば超えることの出来るハードルを設定することが大事な選手も中にはいます。こちらが忍耐をもち、成長を促すことが必要ですね。

まとめ

今回の2つのテーマを踏まえて現在の自分は、テーマ設定やキーファクター及びTRの構築に関して、1ヶ月をベースにして「ゲームから逆算して」プランニングしています。(当然イレギュラーなことがありますので、そうではないこともたくさんあります)
そして、TR中は必要以上のことを言うのは辞めにしました。こちらの一言でトレーニングが台無しになってしまう可能性もあります。ここでも「忍耐」が必要ですね。また、選手それぞれにあった基準を設けてコーチングすることが大切です。その選手の背景をしっかりと確認して、成長を促すことが重要です。


長々と書きましたが、トレーニングの構築やコーチングって難しいですね。
来年の自分は違う考えを持っているかもしれません。
1ヶ月くらいかけて改善したことが、もしかしたら1週間くらいで出来るようになっている可能性もあります。
コーチングをたくさんした方がいいとか言い出してるかもしれません。  したがって、あくまで現時点での自分の考えです。来シーズンを経験したら変わっている可能性があります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
近々、この年代で必要な要素・勝利と育成を中心にNoteを更新したいと思います。
ありがとうございましたm(__)m


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