例外をなくそう(人事の仕事)

確定申告の時期なので、「源泉徴収票を発行してください」という連絡が来る。すでに発行しているのだが、何らかの事情でもう1枚必要であるとか、退職者や短期パートの場合で連絡先が変わっており渡すことができていなかった場合がある。

支払情報は給与システムに入っており、印刷して渡せば良いだけだ。会社の印鑑を押す必要もなく、手間はない。
給与システムや労務管理システムによっては、自分でPDFをダウンロードすれば良く、給与担当者が一切関わらなくても良い、というものもあるだろう。

問題なのは例外的な場合。年末調整を計算するシステムの登録内容が誤っており再度手作業で計算したとか、年末調整後に年内に支払いが発生しているとか。そのような場合は、ボタンひとつで印刷(またはPDF出力)すれば良いというだけでは済まず、内容を確認して作成しなければならない。
※システムに蓄積された支払いデータは簡単に修正できない仕様である。

例外に対処できる能力

この記事で源泉徴収票の話をしたかったのではなく、ミスなどに即座に対処しリカバーする能力が必要、ということ。
年末調整の誤りは誰に落ち度があるにせよ、起こりうることだ。システム上、手作業が発生してしまうのなら仕方ない。ただ、手作業が発生する可能性があるならその気になれば手作業でもできる能力は必要だ。
年末調整はそんな簡単な話ではない。税理士ではないので細かい税制を把握している必要はないのだが、少なくとも流れくらいは知っておく必要がり、必要であればその時に情報を収集して対応できれば良い。
なので、何をしているのか意味もわからず、順序に沿って手だけ動かしている人ではダメなんだろう。
そう言えば経理部長も同じようなことを言っていた。仕訳を理解し、手作業で決算が組めるけど、それでは時間が掛かりすぎるから会計システムを使用するのだ。
(入力のアルバイトだったら、入力だけすれば良いけどね)

あと、ミスであれば「次からは気をつけましょう」ではダメで、同じミスを発生しないためにはシステムの設定を変更すればいいとか、確認フローを見直すとかしなければならない、と私は思っている。

例外を作らない

人を事務的に管理する仕事では例外を作らないということも必要である。ルールにさほど縛られていない会社だと、みんな勝手なことをしだす。
勝手なことは許されず、決まったルールや手順を作り、みんなが守ることが必要だ。会社なのだから。
出退勤などの勤怠管理は必ずこのシステムを使う。給与の支払いは必ずこのシステムを通して振込をする。給与規程にない手当は支払わない、など。

特に勤怠管理から給与までの業務は、労働保険料の計算や社会保険料の算定・月変、障害者雇用納付金、年末調整など、さまざまな手続きと連動しているため、人数や支払額が一元管理されていないと手間が大きく増えてしまうものだ。例外は基本認めず、決まったシステム、決まったフォーマットを定め、いかに例外を作らないか、というのが重要だろう。(権限のある人の印鑑が押してあれば何だって良いわけじゃない。)
事情を聞いて例外的な処理を行うのであれば、今回限りのことなのか、今後もどの程度の頻度で発生するのかもきちんと聞いて、対応を考えたい。

社内の要望に応えるのが人事の仕事ではない。前提として管理する仕事である。その上で、「社内の要望に応えている」っぽい感じを出す必要があり、管理することと社員の満足度を高めていく両方が求められる。

そういう意味ではやっぱ大変だよね。




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