忖度を生む原因と対策
前回の記事では、忖度は生産性を下げないかという話をした。
今回は、ではなぜ「忖度」したくなるのか?ということについて100%主観と個人の経験で原因を書いていきたい。
A. 確認するのが面倒/億劫
個人的に一番やりがちなやつ。単純に確認するのが億劫な場合がある。
B. 「仕事ができる」と思われたい
相手の心中を推し量り、先回りできれば「お、こいつできるな」という評価をもらえることだろう(新人とかなら特に)。だから忖度はやめられない。
一方で、前回の記事でも述べた通り忖度の結果は必ずしも忖度した相手の本当ニーズに合致しないこともある。
何事もやりすぎには注意だ。
C.自分がやりたいこと/やりたくない理由を「忖度」に付託している
Aに付随する事項ではあるが、自分がやりたいことや、やりたくないことを「忖度」によって勝手に代弁させていることもあるように思う。
例えば、自分が以前やらかした事例では以下のような流れだった。
○○さんに確認するのが億劫だな
でも確認したら「XXをやれ」って言われるだろうな
XXはやりたくないな
だがちょっと待ってほしい(天声人語風)、実は○○さんはXXをやってほしくないと考えているのではないだろうか?
そうに違いない(確信)
と、自分がやりたくないだけなのだが、相手もやりたくないと思っているに違いないと思い込むことで、自己正当化してしまう。(これで大失敗した)
逆に、自分がやりたいだけだが、「相手もやりたいに違いない」と思い込むことで自己正当化することもあり、根が深い。
対策
確認する
忖度をやめる方法はほとんどただ一つしかない。相手に確認(もしくは報告)することだ。
プログラミング界隈では有名な「顧客が本当に必要だったもの」という風刺がある
先の「顧客が本当に必要だったもの」は、「そもそも顧客の説明そのものが間違っていた」というオチがある。だが、顧客がソフトウェアのプロでないことを考えれば、目指す方向性の説明が間違えているのも無理はない。
一方で、ソフトウェアチームたちも顧客の説明から的外れな方向性を導き出している。おそらく、誰も「確認」をしなかったのだろう。
相手側の重要性
一方で、しばしば指示(「発注」という形もあるだろう)する側にも問題がある場合はある。例えば、不機嫌な人だったりすると確認するのが億劫になってAに陥りやすい。
また、特に悪い報告を持って行ったとき怒り出すような人だと、A+Cが併発する。また、普段は不機嫌だったり怒りやすいが、自分の都合の良い情報・報告をすると途端に上機嫌になるような人だとBを併発するだろう。
実際に、品質不正の報告書などでもたびたびこうした事例が目立つ。
仕事をする際は、変な忖度などさせず、どんなに悪い事態でも確認や報告をしてくれるような関係性が望ましいのだろう。
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