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サッカーと旅がたまらなく好きな共通の理由。

小学3年生で
サッカーというものにたまたま出会い
それからの約40年間ずっと
サッカーに関わり続けてきています。

いや、正確に言うなら
小学6年生の1年間は「ドラクエ」にハマり過ぎ
あまりサッカーをしていないのですが…

でもどうして飽きやすい性格の自分が
サッカーだけは関わり続けてこれたのか。

といっても
別に強い意志をもって続けてきたわけではなくて
気づいたら続けてきていたんです。ほんと結果的に。

けどだからこそ
自分の心を大きく揺さぶる何かがあるとも思っていて
今のところ思うそれは「自由」なのかなと。

決められたことではなくて
自分が感じたことや考えたことを
その瞬間瞬間で実行していける自由。

『キャプテン翼』の「ロベルトノート」にも
このことが描かれていましたよね。


「 翼、なぜサッカーは
 こんなにも楽しいんだろう。

 世界中で、もっとも愛され
 親しまれているスポーツ、サッカー。

 おれが思うに
 それはもっとも単純で

 もっとも自由なスポーツだからじゃないだろうか。

 グラウンドに立てば
 監督からのサインなど何もない

 自分で考え、自分でプレイする。


 何にも縛られることなく。

 他の10人の仲間たちとただ一つ
 ボールを目指し戦うスポーツ、サッカー。

 サッカーは自由だ。

 グラウンド中央
 ボールを持ったらどうする、翼。


 何をしてもいいんだ。
 ドリブルをしても
 パスをしても、シュートをしても。

 何もしないで止まっていたっていい。


 パスだって
 前にも横にも、後ろにも、どこだってOK。

 それはドリブルだって一緒だ。

 翼、サッカーは自由だ。


 おれはそんなサッカーが大好きだ。

 だから、翼にも
 サッカーをやり続けるならば
 誰よりもサッカーのその楽しさを愛してほしい 」



でもそのためには
たっぷりとした「余白」がないといけないんですよね。

安心して、発想と実行のできる余白が。

監督やコーチが
ひたすらプレーの指示を出し続けたり
それが出来なくて罵倒したりなんかすると
その余白は奪われてしまい、自由も消えてしまう。

「あえて言わない」という
一見何もしていないと思わせる消極的(そう)な選択は
選手たちの積極性を引き出していたりするんですよね。

『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方』の著書
仲山進也さんがちょっと前のフェイスブックに
こんな投稿をされていたのですが
自由と余白について考えるきっかけになりました。


さきほど、近江高校サッカー部監督の
前田高孝さんとおしゃべりしました(90分)。

めちゃめちゃ面白かった〜!!!

「 あのカオスを生み出す
 変幻自在な攻撃スタイルは
 どういうプロセスでできあがったんですか?」

と聞いたら

「 攻撃は具体的なことは一切言わずに
 サッカーの本質は何かって考えて
 それを抽象化したトレーニングをやりました 」

との回答が返ってきたのが最高すぎた。。


抽象化していくことで
「輪郭のある余白」が生まれ
ダイナミズムのある自由もまた生まれてきたのかも。

ここは追求していきたいところだなぁ。

ちなみに今
たっぷりある余白の中で自由が溢れ出しまくって
魅力的なサッカーを展開しているなと思うのは断然
プレミアリーグの「トッテナム・ホットスパー」です。





最後に。

ここまで書いたあれこれに
近いことを書いた記事があったので
再掲載してみようと思います。

2016年に奥さんと旅をした
2ヶ月間の「中南米ジャーニー」のときの
キューバでの出来事について。

サッカーと旅って、自由の宝庫ですよね。


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キューバの首都
ハバナの長距離バスターミナル、時刻は朝7時。

バスで5〜6時間かかる目的地
「 トリニダー 」へのチケットは
前日に完売してしまったのですが
キャンセル待ちができるということで
朝早くにやって来ました。


ところが
いざバスターミナルに来てみると
自分も奥さんも、なんだかモヤモヤモヤモヤ。

行きたい場所に対しての気分が
変わってきてしまいました。


「 せっかくなら行っちゃう?」


「 よし、行っちゃおう 」


そして目的地は
バスで16時間かかるキューバ東部の街
「 サンティアゴ・デ・クーバ 」へと変更。

もともと行こうと思っていた場所なのですが
なにせ遠いので途中の街を巡りながら
刻んで刻んで向かおうと考えていました。

でも



「 16時間のバス移動の
 予測できない感じも惹かれるよなぁ…
 しかもキューバって国で… 」



結局その気持ちが
お互い上回ってしまい目的地変更
チケットも無事に購入することができました。


出発は15時だったので、待ち時間は8時間ほど。
待ち合い室でノンビリ待つことに。

その待ち時間のお供は
谷川俊太郎さん、高田宏さん、吉本ばななさん
3人の対談集『 ことばを生み出す三角宇宙 』。


「 ぼくなんかでも
 わりと枠があったほうが
 書きやすいところがあって
 題名が決められたり
 行数が限られているほうがやりやすいとか
 それと同じようなことだと思います。
 形というか器みたいなものが必要だということは
 文章の上でもなんの上でも必ずあると思うんです 」


意外だった谷川さんのその言葉。

顔を上げると
待ち合い室のテレビでは
「 バルセロナ vs マラガ 」という
スペインリーグの試合を放送中でした。




確かにバルセロナにも器がある。

その器があるからこそ
余計な迷いがなくなって
一人ひとりのパーソナリティが
より輝くんだよなぁ。

縛りつけるためではない
より広がっていくための
より自由になっていくための器とは
どんなものがいいんだろうか。


「 日本人の方ですか?」


ふいに声をかけられ顔を上げると
年配の日本人夫婦の方々でした。


「 どちらに行かれるのですか?」


そこからいろいろな話しに。

仕事は少し前に
リタイアされたということ
1年に数回ご夫婦で
外国への旅に出るということ
ツアーの旅は耐えられないということ
辺境の地ほど行ってみたいということ。

僕たちも
自分たちの話しをするとご主人は


「 へぇ、似た者同士だね、嬉しいなぁ。
 もしまだ時間あるなら
 そこの食堂で朝食でも一緒にどうですか?」


そしていたずらっぽい笑顔を浮かべ


「 大丈夫、お金はいっぱい持ってるから(笑)
 ぜひぜひごちそうさせてください 」


みんなで食堂に移動してあらためて自己紹介を。
そして4人分のキューバサンドを注文。


「 ビールは飲めます?
 せっかくの出会いだから乾杯しましょうよ 」


「 Bucanero 」というキューバビールで乾杯。

その後も
それぞれの人生や旅のいろいろな話しを
早朝、ビールを次々にお代わりしながら。

予期せぬ出会い、予期せぬ展開。
まさに旅の醍醐味のひとつ。


「 この人(ご主人)は
 飛行機でもバスでも必ず
 窓際の席にすぐ座るんですよ。
 で、飽きずにずーっと
 外の風景を眺めてるんです 」


「 いや、だってさ
 うちらが見たこともない世界が
 そこに広がってると思ったら
 それはやっぱ見たいじゃん
 見逃したくないじゃん。
 俺は見たことのない世界を
 これからもずっと見ていきたいんだ 」


気づけば時間は10時を過ぎていました。
間もなく、おふたりのバスは出発。


「 もしよかったら
 僕の連絡先を渡してもいいですか?」


こちらのその申し出にご主人は


「 いやいや
 これは旅の出会いってことで。
 縁があれば、きっとまたどこかで会えるよ 」


そして
まだしばらくバスを待つ僕たちのために
持ち帰り用のキューバサンドと
ビールのお代わりを置いて


「 どうもありがとうね、ほんと楽しかった! 」


と颯爽と去っていきました。

どうもありがとうはこちらこそ。
また世界のどこかで。



『 旅人の目的地は場所ではなく
 世界を見る新しい視点だ。

      ヘンリー・ミラー(作家)


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