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謎のトレーニング理論とついに遭遇。

3年ほど前に
サッカーのトレーニング理論についての
ブログ記事を書きました。

『fooballista』に掲載されていて
世界の片隅でひっそりと実践されていた
「エコロジカル・トレーニング」というに理論ついて。



あ…スゴイものに出逢っちゃった…


直感的にそう感じ
ワクワクが止まらなくなってしまったのでした。


『 footballista 』の先月号で紹介されていた
トレーニング理論「 エコロジカル・トレーニング 」。


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ここ数年
フランスリーグ「 ASモナコ 」の大躍進に関わった
( 今シーズンはとんでもない不調ですが… )
レオナルド・ジャルディン監督が採用したことで
ヨーロッパで広がりつつあるという、この理論。


たった2ページのその記事を読んで
なんでそこまで強く惹かれたのかというと
ただ単にチームが強くなったからということではなく
様々なタイプの若手選手が育っていき
それがチームとしても有機的に機能していたこと
しかも活躍した選手が引き抜かれてしまっても
違うタイプの選手がまた育っていっては
チーム自体も変化しつつ新たに機能していったこと。


ひとつの形(ゲームモデル)に
当てはめて行う選手育成ではなくて
選手のもっている特徴が
ナチュラルに引き出されていきながら
チームとしての形もつくられていく
変幻自在な育成といったイメージ。


自分的に目指したい
育成イメージだったからなんですね。


エコロジカル・トレーニングは
大雑把にいうと、こんな感じなんだそう。


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① チームを生態系、選手を生物としての個体と捉える

② 生態学的なアプローチからのトレーニング構築

③ 重要なのは「環境での関わり合い」「相互関係」

④ 異なる環境や条件下でのゲーム形式の練習が中心


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ただ、このトレーニング理論は
ヨーロッパでも主流になっていないうえに
日本ではまだ「 footballista 」に掲載された
このざっくりな情報しか入ってきていない状況。


でもだからこそ、想像は膨らむばかり…


読み終わって
スゴイものに出逢っちゃった感が
あんなにもワーッと湧いてきたのは
エコロジカル・トレーニングと
日本という国がもつ風土や気候
長年かけて培ってきた
文化や価値観との相性が良くて
そういったものを反映させた
日本ならではの育成ができるんじゃないかと
瞬間的に感じ取ったからなのかなと。


頭ではまだまったく理解できていないので
言葉にすることはちっともできないのですが
よっしゃ、その謎解きをしていってやるぜな
意気込みが渦巻いている次第であります。


それについて断片的にメモしたことを
備忘録的にざざっと。


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● グローカル


● 東大病院の稲葉俊郎さん → 関係性について


●「TISSUE」長沼敬憲さん
 https://little-sanctuary.net/ganbaranai-conditioning/


● 吉田克幸さんの言葉

 「 気持ちのいい物が本物 」

 「 幸運なことに私たちが暮らす日本は
   島国であるお陰で、ゆっくりと独自の
   素晴らしい技術や文化が育ちました。
   長い歴史があるこの国に、一体どれだけの
   民俗的な宝が眠っているのかと思うと
   じっとしているのがもったいないですね。
   複雑な自然があって、四季のお陰で
   暑いことも寒いことも体験できる。
   どのように気持ち良く暮らしていくか
   日本には本物へのヒントがあふれています。
   若い人が仕事を考える時
   日本を活(い)かし切れ
   と伝えたいですね 」


● ブリコラージュ → ベルギー代表


● f.c.A


● 分け合う、分かち合う


● 秩序と無秩序


● ジブリ映画


●「 日本は、神話と歴史のつながる
    世界で唯一の国だ 」
 ( レヴィ=ストロース「野生の思考」より )


● 発酵の微生物 = 発酵菌にあたる


● 四季の変化に適応してきた


● 学校教育ありきではなく
 自然に寄り添って生きてきたこと


● 素材の力


● 土の良さ、畑の良さ


● 練習方法だけじゃなくて
 コミュニケーションの取り方や関係性
 チームの在り方、自分の生き方も


● 日本の発酵文化、酵母


● 八百万の神


 「 日本の神様は完全無欠ではない。
   神々が力を合わせて
   自然界や人々を守っているという。
   完全無欠ではないとの考えが
   日本の人々の生き方にも投影され
   他と比較して違いを見つけ
   排除や批判するのではなく
   共通点を見つけ
   足りない所を補ってきた 」


 「 この国で脈々と引き継がれてきた
   謙虚に違いを受け入れ
   力に変えるという生き方が
   日本の人々の最大の強み 」


● 福岡正信さんの自然農法
 https://youtu.be/aBtaRJvvsK0


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さぁ、これを
どうサッカーに、どう育成に変換していくのか。
または、まったく変換されないのか。


楽しみな謎解きの始まり始まりです。




で、なんと、なんと
この記事から3年が経っても
エコロジカル・トレーニングについての情報が
日本国内で発信されることはおそらく
まったくなかったのです。謎のまま。
(外国語でのものはあると思いますが)

自分の思考も繋がりそうで繋がらずに
クルクル、クルクルと回っているばかり。
次第に、考える機会も減っていっていました。

しかし忘れた頃に、ソウルメイトからの奇襲攻撃。


「 ポルト大学で
 エコロジカル・トレーニングを学んでいた友人が
 日本に戻ってきたんですが繋ぎましょうか?」


もちろん×1000 お願いします!と伝えると
すぐに3人でのZOOM会を実現してくれました。

いやぁ、めちゃくちゃに面白かった…

知的好奇心が刺激されまくりで
お酒を飲んだわけでもないのに
酔っ払ったような高揚感に包まれました。

自分の中での理解はまだまだ断片的だし
当然、自分の言葉で話せるレベルでもないし
これからその人がメディア等で
いろいろと発信していくはずなので
ここで詳しく書くことは控えようと思いますが
とんでもなくざっくりいうと、こんな感じかなと。


制約を設計して
その環境を操作し続けることで
選手たちの行動を自然と引き出し
その結果、能力をも引き出していく。

そして能力は
その選手の身体に最適化されたものとなる。

変化の中から、変化しないものを学んでいく。


経営学者の楠木健さんが言っていたこの考え方も
エコロジカルトレーニングに通ずると思います。


「 センスは直接的には育てられません。
 だからと言って
 生得的な " 天賦の才 " では決してありません。
 育てられないけども、育ちます。
 他動詞ではなく、自動詞の " 育つ " です。
 センスは自ら錬成するものです 」


選手たちを育てるのではなく
選手たちが育っていけるように。

付け足して作る造形作品のようにではなく
削り落として形にしていく木彫り作品のように。

選手の数だけ形はある。

だからまずは、想像できる自分に。
そして、なにより、信じて待てる自分に。

あらためてすごく大事な視点をもらえました。
あれこれ考えながら、またやっていこう。

育っていった先にはきっと「個性」しかない。


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