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anarita
Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)③
川に着くと仕掛けに魚が3匹かかっていた。川の流れをせき止めて狭い場所におびき寄せる仕掛けだ。釣りではなくて、こんな方法で魚が捕れるなんて知らなかった。以前は遊漁料というのが必要だったらしいけど、漁協さえない今は不要だ。といっても、お金すら存在しないのだから。
魚は3匹しか捕れなかったけど、5名で分ければいい。足りない分は帰りに山菜を採っていこう。あと、野菜を作っているから、それも食べられる。野菜は誰かに売るわけでもなく、江戸時代のように年貢を納めるわけでもないから自分たちの分だけ作ればいいんだ。
以前はコンビニがなくなったら食べるものがなくなると思っていたけど、コンビニがなくても生きられるもんだな。テレビやスマホがなくなったら何もすることがないと思っていたけど、暗くなったら寝ちゃえばいいんだ。電気やガスが普及している暮らしは人類の長い歴史からすればつい最近のことで、電気やガスがない暮らしのほうが圧倒的に長い。ということは本来の人類は電気やガスがない生活をしていたんだ。電化製品や車や電車もなかったけど、そんな生活を不便とは思っていなかっただろう。
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