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Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(1章)⑦

それにしても、シェフの作るご飯は美味しい。魚を焼くだけなんだから誰でもできそうなんだけど、僕がやってみたら苦いし、形は崩れてぐちゃぐちゃだし味も見た目も残念な仕上がりだった。野菜スープを作った時も、なぜか泥水みたいな味になってしまって、つくづく料理の才能がないって思った。
僕が一人で食べるのなら、生きるためなら食べるのだけど美味しい料理というのは幸せな気持ちにさせてくれる。

「シェフ、ごちそうさま君がいてくれるおかげで美味しいご飯が食べられるよ、ありがとう」
「こちらこそ、あきらが食材を集めてきてくれるおかげで料理ができるんだ、ありがとう」
「そして、はじめのおかげで夜も安心して屋内で寝られるし、おさむのサバイバルの知識のおかげで生活できるんだ、ありがとう」
「俺を忘れていないか?」
「重要な人を忘れていた、隼人の火のおかげで料理もできるしお風呂も入れる、そして猛獣からも守れるんだ、ありがとう」
人間はいつのまにか感謝を忘れてしまった。お金を稼ぐために働き、そのお金で生活をするという経済の仕組みにより感謝をしなくなってしまったんだ。
農業ではお金を稼ぐために危険な農薬や土を弱らせる肥料を大量に使っていた。しかし農家は農薬や肥料を使っていない野菜を食べていたという。自分たちは食べないものをお金のために売っていたというのだ。

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