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【連載小説】突然,覚醒しちゃいました

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#臨死体験

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑤

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました⑤

退院してから一週間、営業職で働く意欲は無くなっていた。今考えれば成績を上げる為に、テクニックを使って成約することもあった。法律的には問題ないのだが、だましているようで本当はやりたくなかった。効果が変わらないのに高いものを販売したり、必要のないんものを販売したり、会社の利益ばかりを考えて営業をしていた。だからいつもキャンセルのなるのが怖かった。クレームにもいつもビクビクしていた。
これからは競争もし

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【連載小説】突然、覚醒しちゃいました③

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました③

「さとる、もう退院していいって、結構あっさりとしてるよねベッドが足りないのかしらね、まーあなたは車に轢かれたわけではなく転んで頭を打っただけだからね、意識さえ取り戻せば健康で怪我もないしね、念のため仕事は一週間休んだほうがいいって看護師さんが言ってたよ」 
「ありがとうお母さん、ちょうど働く気がしなかったんだ。あれだけ営業成績トップを狙って頑張っていたのに性格が変わったのかな。競争心がなくなちゃっ

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【連載小説】突然、覚醒しちゃいました②

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました②

「お母さん、あの小学生の男の子は誰?」
「何言っているの?ここには2人以外誰もいないよ」
どうやら僕は霊が見えるようになったらしい。
臨死体験により霊的覚醒が起こるというけれど、僕はそれを体験しているみたいだ。
「じゃーお母さんはナースセンターに起きたって言ってくるね」
頭を打つ前から今までの記憶がないのに、彼女に振られたのは覚えているなんてどういうことだ。もうちょっと前から記憶がなくなっていたら

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【連載小説】突然、覚醒しちゃいました①

【連載小説】突然、覚醒しちゃいました①

彼女に振られて生きる意味なんてない、もう死んでやる。僕は車に飛び込んだ。「ガシャーン」

「あれ、ここはいったいどこだ?」 

僕は病院のベットで目覚めた。なんだったんだ今の夢は、あれが三途の川ってやつか。というかなんでここにいるのだろう。分からないことだらけだ。彼女に振られたことまでは覚えているのに、そこからベットまでが思い出せない。

「さとる、起きたの?心配したのよ」

「ごめんお母さん、な

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