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私の推し活宣言

本格的に自営業に舵を切って3期目をスタートした。自分がつくったものや自分の働きに値段をつけて売る、ということをやっていたら、そういえば世の中で売られているモノや働きに支払われるお金の行方ゆくえが気になってくる。

自分の働きに値段をつけるのは、ほんとうに難しい。お客様に「損した」と思ってほしくはないし、かといって私が損してしまったら続けることができない。お互いに嬉しくなれる金額はどこだろう? と働く私の気持ちとお客様の気持ちとをアタマの中で行ったり来たりさせながら仕事の内容と値段を考える。

そうやって仕事をやり遂げ、快くお支払いいただけるとほんとうにめちゃめちゃ嬉しい。お勤めしてお給料をもらうことも本来は同じだと思うのだけれど、チームの一員として皆と分け合う仕組みの都合上、ちょっとインパクトが薄れてしまうのかもしれない。

そんなふうにお金の流れを深く実感するようになったら、今度は自分がお金を払うときに、このお金はどれくらい喜んでもらえるのかな? ということが気になってきたのだ。同じようにお金を払うのであれば、良いと感じるものをつくってくれている人や、自分が好きな人に払いたいな、と。

でもよく考えたらそれはお金だけじゃないかもしれない。

カフェで働いていた時、遠くから来られたと思われるお客様に「おいしかったわ!」と声をかけられてとてもびっくりしたことがある。私自身はその頃、どんなにおいしいと思ったり感動したりしても、初めて会うお店のスタッフにそれを直接伝えるなんて思いつきもしなかったからだ。いや、恥ずかしいし! でもそうやって声をかけてもらったら、みんなでつくりあげているお店全体のいろいろな働きかけが認められたんだ! と嬉しくなった。

ほとんどのお客様は必要以上の会話はしないし、明らかに多くを食べ残しているとかでなければ、おいしいと思ってくれたのか、まぁフツーと思っていたのか、いまひとつだけどもったいないから食べとこ、と思っていたのかはわからない。

でもほんの一言、おいしかったわ!と声をかけてもらえたことで、その後めっちゃニコニコしてキビキビ動けてしまうくらい元気が出たし、ほかのスタッフに伝えたらその嬉しさが店中に伝播する。

感動した私は、それ以降、よかったと思った時には直接それを伝えるようにがんばった。今では日常的にそんな声かけができるようになったけれど、それはあの時声をかけてくださった年配の素敵な女性のおかげだ。

「ステキなことはステキだと無邪気に
 笑える心が好きさ」
と佐野元春は歌った。

私はこの歌詞を座右の銘にしているのだが、それは、良いと思ってもなんだか周りを見回して、これを良いって言って浮いちゃわないかな? なんてついビビってしまう自分を奮い立たせてくれるからだ。

良いと思ったモノや人やコトに出会ったら、素直にそれを伝えたい。
良いと思うモノや人やコトに、きちんとお金を払いたい。

そして、私が提供する仕事にもそんな気持ちでお金を払ってほしいからこそ、しっかりと自分が良いと思える仕事をしたい。

そんな幸せな循環をちょっと夢見て、今年はステキだと感じたものをステキだと述べ、ステキだと感じたものにお金を払っていくことを強化してみたい。

いただいたサポートは、良い仕事だな!と感じる本や資料やガジェットなどを購入することで良い仕事応援の循環を回すために使わせていただきます。